2014年1月　消費者物価指数　大解剖

　『グローバリゼーション・パラドクス』の感想・最終回は次回に回すとして(本は読み終わったのですが)、本日発表された消費者物価指数(以下、CPI)について中身を詳細に検討していこうと思います。(楽しみにしていた方は申し訳ございません。)

統計局ホームページ

http://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.htm

(1)　 総合指数は2010年(平成22年)を100として100.7
　　　　前月比は0.2％の下落　　前年同月比は1.4％の上昇
(2)　 生鮮食品を除く総合指数は100.4
　　　　前月比は0.3％の下落　　前年同月比は1.3％の上昇
(3)　 食料（酒類を除く）及びエネルギーを除く総合指数は98.2
　　　　前月比は0.5％の下落　　前年同月比は0.7％の上昇

　総合指数はいわゆるCPIですべての財・サービスを対象とした物価の変化率を見ています。生鮮食品を除いたものを日本ではコアCPI、食料・エネルギーを除いたものを日本ではコアコアCPIと呼びます。(一般的に海外で言うコアCPIは日本で言うコアコアCPIになります。)

　食料やエネルギーは天候や国際情勢などで価格が動きやすいため、デフレやインフレを判断するときにはコアコアCPIを用いて判断することが多いようです。一般の方々が、物価が上がったなぁと感じるのは総合のCPIが実感として近いかもしれません。

　さて、安倍政権はアベノミクスと称してデフレ脱却を目指しているわけですが、2014年1月のコアコアCPIを見てみますと、前年同月比：+0.7%となっており、2013年1月と比較すると物価が少し高くなっているようです。(もしかしてデフレ脱却の兆し？？)

　それでは1年前と比較してどの品目の物価が上がって、どの品目の物価が下がったのかランキング形式で見ていきます。ランキングは物価(コアコアCPI)に影響を及ぼした寄与度順で発表していきます。

コアコアCPI上昇に寄与した品目ランキング

第1位　傷害保険料　+0.123ポイント

第2位　自動車保険料　+0.078ポイント

第3位　外国パック旅行　+0.075ポイント

第4位　ルームエアコン　+0.071ポイント

第5位　輸入カバン　+0.053ポイント

第6位　パソコン　+0.041ポイント

第7位　テレビ　+0.036ポイント

第8位　キャットフード　+0.027ポイント

第9位　ファンデーション　+0.007ポイント

第9位　下水道料金　+0.007ポイント

コアコアCPI低下に寄与した品目ランキング

第1位　持家の帰属家賃　-0.06ポイント

第2位　宿泊料　-0.03ポイント

第3位　照明器具　-0.01ポイント

第3位　掃除機　-0.01ポイント

第3位　女児スカート　-0.01ポイント

第3位　航空運賃　-0.01ポイント

第3位　水着　-0.01ポイント

第3位　ゴルフプレー料金　-0.01ポイント

第3位　ハンドバッグ　-0.01ポイント

　食料・エネルギーを除いて物価が上がったものを見てみると景気が良くなって飛ぶように物が売れるようになったからというよりは、円安で輸入物の値段があがった(キャットフードって輸入物が多いのかな？)とか保険料が値上げになったというのが大半で、あとは家電が少し値上げになっているようですね。これはもしかすると消費税増税前の駆け込み需要によるものかもしれませんね。

　さて、今までは2013年1月と2014年1月の比較でしたが、2013年12月と比較したものが以下になります。

コアコアCPI上昇に寄与した主な品目

第1位　ルームエアコン　+0.053ポイント

第2位　冷蔵庫　+0.021ポイント

コアコアCPI低下に寄与した主な品目

第1位　被服・履物　-0.23ポイント

第2位　外国パック旅行　-0.04ポイント

第3位　宿泊料　-0.03ポイント

第3位　ゴルフプレー料金　-0.03ポイント

第5位　航空運賃　-0.02ポイント

　上の方ではコアコアCPIの前月比は-0.5%と書いていましたが、例年1月は物価が下がりやすいようなので、季節調整済指数を見てみました。

CPI：-0.1%