うつ病大国と呼ばれる我が国日本。そんなうつ病や双極性障害になる人には実は発達障害が隠れているかもしれない。そんな話をずーっと前から私は聞いたことがあります。
私は既にサラリーマンを卒業して、もはやアルバイトをしているだけなので精神的にも非常にラクですが、サラリーマン時代では仕事をしていて「この人は発達障害の傾向があるのではないのか?」とか「この人はADHDの傾向を持っているのではないか?」と考えたことあったし、実際にもサラリーマンであれば誰しも一度や二度は経験があると思います。
また、自分自身も仕事をしていると、思いもしなかった分野において予想以上に苦手でつまづいたり「自分は発達障害を有しているかもしれない」と感じることも多々あると思います。
私はそのどちらもを実際に経験したことがあります。
どんな職場にもよくいるという「仕事しないおじさん(おばさん)」。昔から「窓際族」とか「お局さん」みたいに言われますが、実際、こういう人の中には発達障害の気質を持っている人が割とたくさんいるだろうと思います。
また、過労な中でうつを発症する人と発症しない人に分かれることがありますが、そこにも発達障害の気質が隠れているといわゆる専門家筋でよく言われます。(本当の所はまだよくわかっていない)
発達障害についてもどこから障害なのかを区分けするのは非常に難しいのですが、日本の学業や職場においては日常の勉強や仕事がうまく回らず、周囲の冷たい目線が気になりだす状況ぐらいから、もう既に発達障害としての明確な区分けが一応できるのかなとも思っています。
発達障害の検査は医学的には相当いろいろありますが、普段の生活で比較的容易に見分けることができるものとして、まず「車の運転」の適応問題があると思います。
そもそも免許の学科試験に受かりにくい、実技はそれほど問題はないのに学科が極端に苦手という人が時々おられます。
また実技面でも車の運転中にイライラしたりすることが多かったり、走りでのムラが大きかったり、バックでの駐車が極端に苦手だったり、事故を起こしそうになったり、そういう傾向が多い人はそれが少ない人よりも明らかに発達障害の可能性はあると私は見ています。
「大人の発達障害」という言葉もあるように、子どもや学生時代には見つからなかった自分の特性が、いざ社会人になってから一気に現れて出てくるという場合も多くあります。
発達障害の特性を持っている人というのは、かなり苦手な分野が結構たくさんあるんですよね。(逆に得意な分野もたくさんある)
私の父の経験話などからでは「自分は何をやらせてもそこそこ何でもできるんだが、コレといった得意分野を持たないのが弱みだ」と以前に言っていたのが非常に印象的でした。
発達障害の特性が少ない人というのは、勉強でも仕事でも遊びでも、何をやらせても割とこなせてしまうといった傾向にあるのではないかと思います。そういう人は人当たりが良くて、体力が伴っていれば出世しやすいタイプになるだろうと思います。
一方、私なんかはどちらかというとそのような得意なことや苦手なことがハッキリ区分けされているので、何をやらせても無難にこなせるというタイプでは確実にありません。特に人の上に立ちたいという欲求が全くなく、どう考えても万能型人間ではなく、専門型人間だという自覚がありました。
サラリーマンでの出世という面はどちらかというと万能型人間が求められるし、専門型人間というのは「技術屋さん」みたいな言われ方をして、仕事の際もやや扱いづらいと言われるのはこの世界の定説ではないかと思っています。
コロナ禍においても「専門家」という人々がいろいろ予測したり見解を述べたりして、もっともらしく状況を説明しているシーンもたくさんありましたが、それがスバリ当たっているというケースが実はあんまり無かったということも結構記憶に新しいところ。
いわゆる専門家と呼ばれる人は、様々な事象を総合的に鑑みてコメントを述べているというより、自分の知っている専門分野に特化して局所的なコメントを述べているので、後できちんと検証してみると「なんかおかしいぞ」という結果にもつながりかねないのです。
専門家の型の人間が実は発達障害を有しているんだとここで言い切ることはできませんが、専門家というのは実は割とまゆつば物でもあり、上に立って総合的な対策を指示するようなことは不得意とされているので、そういうコロナ対策のような話は万能型人間でないとうまく務まりません。
日本人は専門型人間が多いのではないかと思うのです。だから現場としては優れている。しかし、万能型人間が少ないのです。だから全体を見て指示を出したり、適切な策を講じられる働きかけられるような識見(能力)のある人が極端に少ないのです。
政治家や経営者は何かの専門家であるよりも万能型で総合的に瞬時に判断できるプレーヤーが強く望まれます。こういうものは日本人の特性にはそもそもいないタイプの人なのです。
そういう観点でいくと、世界の中で見て日本人全体というのはどちらかというと専門型人間の集まりでもあり、発達障害の気質を持つ人間が比較的多くて、〇〇オタクやひきこもりが国家の根幹さえもゆるがしかねない将来問題に発展しうるというのは非常に納得できる話だと思います。
専門型人間と万能型人間、これらのバランスを組織においてはうまく適切に保たないと、ゆくゆくは機能不全に陥るのかもしれません。日本は外圧でなければ変えられないと言われるのは日本人の特性によるものなのかもしれません。