一寸先は闇の世界金融市場 | Passのブログ (情報部屋)

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アメリカは今後も引き続き2%程度のインフレ目標を設定し、QE3(Quantitative easing=量的緩和)などにより、さらにお金を撒いていく方針を固めています。ゴールドやプラチナの価格も再び上昇してきており、欧州の動向もあって円ドル60円台の領域に踏み込むかどうか、各方面の専門家の意見を確認しておきたいと思います。

○米FRB、2014年終盤まで異例の低金利維持へ:識者はこうみる(ロイター)

http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPTJE80O00M20120126?pageNumber=4&virtualBrandChannel=0

[ワシントン/東京 25日 ロイター]米連邦準備理事会(FRB)は25日発表した連邦公開市場委員会(FOMC)声明で、景気回復を支援するため、少なくとも2014年終盤まで政策金利を据え置く方針を明らかにした。

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識者の見方は次の通り。

●QE3期待強まり、ドル安になりやすい

<野村証券 金融市場調査部 チーフ為替ストラテジスト 池田雄之輔氏>

FOMCの声明文は予想以上にハト派色が強かった。為替市場はこの点に最も強く反応し、ドル売りが進んだ。その後発表された経済予測でも、最近の指標改善にも関わらず、12―13年にかけての成長率見通しが引き下げられている。 楽観的な見通しを公表すると追加緩和に踏み込みにくいという判断もあるのだろう。

いずれにせよ、12年前半にも量的緩和第3弾(QE3)が実施される可能性は高いと見ている。QE3への期待が広がれば、市場のセンチメントはリスクオフに傾き、ドル売りにつながりやすいうえ、他国との金利差が圧縮されるという側面からも、ドル安の流れにつながりやすい。

●時間軸を長期化、日銀の物価安定の理解と似た面も

米連邦公開市場委員会(FOMC)では、FFレートの異例の低水準を少なくとも2014年後半までは正当化する可能性が高い、という文言が入ったことが注目点だ。低金利が長期化するとの観測から、ドルが売られる場面もあったが、時間軸の長期化は多くの市場関係者が予想していた内容でもあり、それほど大きな反応にはならなかった。

また、インフレ率2%が米連邦準備理事会(FRB)の責務と最も適合する水準ということを示したが、事実上は日銀の物価安定の理解と似たような位置付けとみている。数値をピンポイントで明確化するなど、コミュニケーション政策の一環ともいえる。

●緩和効果受けた米株高で日本株も短期的に出遅れ修正

<みずほ総研 シニアエコノミスト 武内浩二氏>

連邦公開市場委員会(FOMC)の声明で、異例に低水準のFF金利を少なくとも2014年末まで長期化するとの方針に関し、市場の予想よりも一歩踏み込んだと評価する。緩和の強化はドル売り/円買い要因となるが、むしろ緩和を背景に米株が上昇した方が日本株への効果も大きい。米株の下支え効果はしばらく続くとみている。

米株は昨年末から上昇基調となっているが、そろそろ高値警戒感も出てくるのではないか。日本株も相当に出遅れているのでその修正が進んでおり、日経平均は目先9000円を上抜けする相場が想定される。ただ、一段高となるには景気回復や欧州財政危機の解決に向けた動きが必要となるので、レンジの中心は引き続き8000円台後半だろう。

●透明性重視で相場変動率低下

<RBS証券 チーフ債券ストラテジスト 福永顕人氏>

透明性をより重視する姿勢がはっきり表れた。声明文では、政策金利の段落をバランスシートの段落よりも前に持ってきた上で、これまで「at least through mid-2013」としてきた文言を「at least through late 2014」と伸ばした。

低金利据え置き期間の言及、狭義なインフレ目標と、バランスシートより透明性強化を緩和手段としているのがより鮮明となっており、市場もボラティリティ低下という形でこれを受け止めている。景気循環よりもボラティリティ水準が金利水準を決める日本国債のような力学の傾向が一層強まるのではないか。

円債市場への影響は、ドル安・円高による追加緩和圧力というのは、実際に為替レートが大きく動かない限り、一時期ほど強くないだろうが、海外金利が低位にとどまるなかで、アセットアロケーション上、円債市場に資金が流入するというのは長いテーマとしてカーブ全体にわたって金利下押し圧力を加え続けると想定している。

●ドル売りは長続きしない、関心は欧州へ

<三菱東京UFJ銀行アナリスト、井野鉄兵氏>

米連邦公開市場委員会(FOMC)で低金利政策の時間軸を2014年終盤まで長期化したことは、意外に延びたなという印象だ。ハト派のバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の考えが強く反映されたものだろう。初期反応としてはドル売りになる。

ただ、ドル売りは長くは続かないのではないか。テーマは入れ替わっていく。FOMCというイベント通過で、ドルはそろそろ下げ渋るとみている。市場の関心は再び欧州の問題に移るだろう。

金融政策からみれば、リスクオンを後押しする材料で、ソブリン問題を抱えるユーロはともかく豪ドルなどが買われてもおかしくない。ただ(世界経済の不透明感という)環境を考えれば、豪ドル買いがどんどん加速する状況ではない。

●日銀利上げは2015年以降、キャリー確保の重要性

<みずほ証券・金融市場調査部長 三浦哲也氏>

米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明で時間軸長期化を明言したことは大きなサプライズ。失業率の高止まりなどで、市場が想定している以上に当局がデフレリスクを警戒しているのではないか。米金利はイールドカーブも短中期がつぶれる一方、ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)の上昇で長期・超長期ゾーンはスティープ化し、市場は素直に反応した。

少なくとも2014年終盤まで政策金利を異例の低水準に据え置く方針を示したことを受けて、日本でも利上げ時期が2015年以降に後ずれする可能性が高まった。日銀の時間軸政策への波及を通じて、円債市場でも中短期ゾーンにフラット化圧力がかかるのではないか。キャリー収益確保の重要性が高まるのではないか。

●時間軸、14年夏がより現実的か

<JPモルガン証券 チーフ債券ストラテジスト 山脇貴史氏>

今回から通常の声明文に加えて政策金利目標の見通しも併せて公表された。2012年に投票権を持たない地区連銀総裁も含めた計17人の見通しを集計。政策変更のタイミングは、12年3人、13年3人、14年5人、15年4人、16年2人となっており、見通しは大きく分かれていたようだ。

声明文では「少なくとも14年遅くまでは異例な低水準を正当化する可能性が高い」とコメント。現在投票権を持つメンバーの多くがハト派であることを踏まえれば、声明文がハト派に近い見通しであっても違和感はない。

しかし、バーナンキ議長の任期が14年1月末であることや、投票権を持つメンバーが毎年一定数入れ替わって行くことを考慮すれば、14年遅くまでの時間軸は期待しすぎかも知れない。バーナンキ議長が退任し、次期議長が利上げに向けてのコンセンサスを形成するのに半年間程度必要になると考えると、14年夏が現実的な時間軸ということになるのではないか。過剰な時間軸効果を期待する事は控えたい。

もっとも13年夏と言われていた時間軸は確実に強化されており、それが債券市場のサポート材料になる事は間違いないだろう。インフレ目標導入と失業率目標の見送りも、過剰なインフレ期待や失業率の変化による時間軸への影響を回避することに寄与する見込みで、これも債券相場の安定に寄与するのではないか。

●「極めて緩和的スタンス維持」との文言、QE3の可能性示す

<4キャストの金利ストラテジスト、ゲンナディ・ゴールドバーグ氏>

ほぼ市場予想通りだが、大きな変更点は「2014年終盤まで」の文言だ。

その他で興味深い点は「委員会は金融政策に対する極めて緩和的なスタンスを維持すると予想している」の一文のみだ。これは事実上のゼロ金利政策に加え、追加量的緩和を通じて米連邦準備理事会(FRB)が市場を下支えすることを示している可能性がある。まだ「QE3(量的緩和第3弾)」の望みはある。

●ドルにマイナス、追加緩和は示唆せず

<フォレックス・ドットコムの首席ストラテジスト、ブライアン・ドーラン氏>

ドルにとってマイナスだ。2014年終盤までの低金利維持は市場の予想よりも長期間だ。ただ、米連邦準備理事会(FRB)は追加緩和は示唆していない。FRBは、経済成長のペースが失業率を押し下げるのに十分でないということを認識しているだろう。きょう大幅に上昇していたドル/円が最も大きく下げる可能性がある。

●ハト派的トーン変わらず、当局者予想も同様の内容と予想

<4キャストのエコノミスト、ショーン・インクレモナ氏>

経済情勢への見解や、見通しに「大幅な」下方リスクが存在するというトーンは前回から変わっていない。

引き続きハト派的なトーンが維持されていることから、この日発表される当局者の金利見通しでも、現在の環境下では政策が当分の間、引き続き極めて緩和的になり、一段の行動がとられる可能性があるとの見方を繰り返し示すことになるだろう。

●概ねリスクオン・シグナル

<ウエストパックのシニア通貨ストラテジスト、リチャード・フラヌロビッチ氏>

米連邦公開市場委員会(FOMC)声明は、政策金利を異例に低い水準に据え置く期間を2014年終盤まで延長したことから、ハト派的な内容となった。ドルが売られ、利回りが低下しているのはこのためだ。連邦準備理事会(FRB)は、米経済は回復しているが、失業率を容認できる水準まで低下させるには十分でないと認識している。

全体的に、声明はリスクオン・シグナルのようだ。ただ、個人的には、ギリシャ問題があるため、ユーロを買うには不安がある。対ドルでは豪ドルかカナダドルを買うだろう。