門田由貴子(組織変革コンサルタント、キャリアカウンセラー。株式会社エトス代表取締役)氏の連載記事です。
これがなかなか「こそばゆい」記事で、自分にも心当たりがありますので、正直ドキッとします。あなたはなぜイヤな仕事ばかりをさせられているのですか?(それはあなたが好きな仕事を探し求めていないから)
○人生は、毎日がオーディション! (ダイヤモンド・オンライン)
http://diamond.jp/articles/-/14222
あなたも、「選ばれる人」になれる!
社会人なら誰でも、自分らしさを存分に発揮しながら、多くの人々から感謝され、生き甲斐や喜びを味わえる仕事を担当したいと思いますよね?そして、自然体でいるだけなのに、次々にチャンスに恵まれたら、どんなに素晴らしい毎日になるでしょうか?
そのような働き方ができる人が、「選ばれる人」です。
「選ばれる人」といっても、特別な才能を持ったスーパーエリートのことではありません。
ある一定のコツを身につけてしまえば、誰でも「選ばれる人」になれるのです。
それは「いい仕事」か、「イヤな仕事」か?
昔から、「職業に貴賤なし」と言われています。
しかし、これはあくまでも建て前論。
実際に、その職業、あるいは企業や職場が担当している業務機能を俯瞰的に見てみれば、必ずしもすべての仕事に等しく価値があるとは言えません。
あまり大きな声では言えませんが、どのような職業や職場にも、大勢の人が憧れる「いい仕事」や「オイシイ仕事」があります。
その反対に、誰もが避けたいと思う「イヤな仕事」や、「必要悪」とか「雑用」などと呼ばれる、価値の低い仕事もあるものです。
あなたの職場でも、思い当たることがありませんか?
いま担当している仕事で、キャリアに大きな差がつく
いま、「イヤな仕事」を担当させられている人とは……。
その仕事はほとんど注目されることなく、「うまくいって当たり前」と考えられているので、どんなに苦労しようが、誰も誉めてくれません。そのくせ、ちょっとしたミスをしたら、鬼の首を取ったように厳しく叱られる始末……。まさに、労多くして儲けなし。
こんな毎日を過ごしていたのでは、社会人としての成長もあまり期待できません。仕事に面白さを見出せなければ、働く意欲すら失ってしまうでしょう。
そのうえ、「いい仕事」を担当している人と比べられ、その差は日増しに開いていくのです。
その反対に、いわゆる「いい仕事」を担当している人は、幸せです。
顧客から期待され、上司がしっかり指導し、先輩や同僚が応援してくれ、十分な予算が与えられるのですから、まず失敗することはあり得ません。
それを担当している人は、ヤリガイや達成感を味わい、仕事を通じて成長する喜びを感じ、自信がついていきます。成果が出れば、「優秀」「デキる人」と呼ばれ、昇進や昇給のチャンスも高まるでしょう。
企業の管理職昇格試験や経営幹部選抜の面接を担当していると、ときどき、年齢が若くて目立つ人がいます。
それはたいてい、上司から特別に「選ばれた人」です。「いい仕事」を連続して担当してきたので、飛びぬけて高い成果が出ています。
もちろん本人の努力もありますが、決して個人の頑張りだけでそれだけの成果は出せません。詳しく聞いてみると、上司をはじめとして、組織の全面的なバックアップがあったから、それだけの成果が出せているのだとわかります。
つまり、「選ばれた人」は、組織ぐるみの応援を受けて、ますますチャンスに恵まれ、「いい仕事」を担当し、高い評価も成果も一身に集めていくのです。
さて、いま、あなたが担当しているのは、どちらのタイプの仕事に近いでしょうか?
もしも、いまのあなたが「イヤな仕事」を担当させられ、納得できない状況にあるのなら、今すぐに、真剣にご自分のキャリアを見つめなおして、「選ばれる人」になる道を歩み始めるべきです。
ぐずぐずしていたら、取り返しのつかないことになってしまいます。
その一例をご紹介しましょう。
それは、かつての私自身のことですが……。
◇「イヤな仕事」を押し付けられていると、キャリアも人生も台無しになる!
20代のある時期、私に与えられたのは、「ワガママばかりのクレーマー顧客」としてウワサになっていた企業のプロジェクト。職場の全員が「そこだけは絶対に担当したくない」と言っていた、いわくつきの企業です。
そのプロジェクトを進める間も、上司から次々に他の仕事も与えられます。それが、職場では「雑用」と呼ばれている、陽の当たらない仕事ばかり。そんなものをいくら担当しても、少しも業績評価に反映されず、経歴にもなりません。
おまけに、どう考えても物理的にも時間的にもムリな量と数。
(どうして、私ばっかり、こんな悲惨な目にあわなきゃならないのー?!)
ある日、思い切ってその理由を上司に尋ねてみたら……。
「だって、オマエは、そういう雑用が好きなんだろう?」
と、無思慮な一言が返ってきたのには、開いた口がふさがらなくなりました。
つまり、上司が私に集中的に雑用を押し付けた理由は、何の根拠もない、彼自身の勝手な「思い込み」と「決め付け」だったのです。
その上司に振り回されている間に、過労とストレスから私は心身のバランスを崩して、そして、ある日ついに、通勤電車の中で倒れてしまいました。
病院で事情を説明して検査を受けた後、医師から言われたのは……。
「死にたくなければ、そんな会社はいますぐにお辞めなさい!」
そのまま会社に向かい、診断書を提出すると、その瞬間から私は長期病気欠勤の身となりました。
早く一人前になりたい、上司に認めてもらおうと頑張ってきたつもりなのに、出社すらできないダメ社員に転落してしまうなんて……。
欠勤している間は、情けなさのあまりに、自殺ばかり考える日が続きました。
この一件からは、いくつもの教訓を得ることができました。
そのうちの一つが、理想のキャリアを手に入れるための条件と方法です。
理想のキャリアは、主体的に求めて手に入れるもの
社会人なら誰でも、自分にふさわしい「居場所」と「役割」は、自分から探し求め、手に入れなくてはなりません。
部下の立場からも、勤める企業や職場、上司をしっかりと吟味し、問題があるなら自分から居場所と役割を変える勇気を持ち、主体的に行動すべきです。
企業でのコンサルティングや研修、個人向けのカウンセリング面談の場面で、私はよくこのようにアドバイスしています。
「人生は、毎日がオーディション!」
あなたの行動や態度は、常に誰かによって見られています。
社内で新しいプロジェクトが発足するとき、経営者や上司は、常に「それを誰に担当してもらおうか?」と適任者を探しているからです。
専門職や自営業の人に対しては、常に見込み客がその人の動向を探っています。
たった一通のメール、何気ない会話、小さな頼まれごとが、実は適任者を選ぶための面接試験や実技試験だったかもしれません。
社会人は誰しも、毎日がオーディションで審査されているのです。
もしも、あなたが、これから「いい仕事」を担当して、ヤリガイや満足を味わい、仕事を通じて大きく成長しようと願うなら、ぜひ、「選ばれる人」になってください。
では、「選ばれる人」とは、どのような条件を備えていればいいのでしょうか?
次回から「選ばれる人」の条件と、それを手に入れる方法をご紹介していきます。
人生は、毎日がオーディション。
一日も早く「選ばれる人」になって、理想のキャリアを手に入れてください!