皆さん、こんにちは。
千葉県議会議員（船橋市選出）の石川りょうです。
さて、先日、東葉高速鉄道の経営安定化に向けた支援について、国土交通省に対し質問書を送付していましたが、この度、国交省より返事がありましたのでご報告いたします。
私から国交省にあてた質問書の内容など、前回のブログはこちらをご参照ください。
私からは書面で質問し、書面での回答を求めていたのですが、国交省鉄道局鉄道事業課からは電話による口頭での返事でした。しかも、私に直接ではなく、千葉県の総合企画部交通計画課に対しての返事でした…。
私からは大きく分類して以下３点の質問をしていましたので、各質問とそれに対する国交省の回答を以下に記載します。
【質問１】
東葉高速鉄道及び北総鉄道の経営安定化を図るため、鉄道建設・運輸施設整備支援機構に対する多額の長期債務の縮減や利払いの軽減など、各年の元利償還金の更なる軽減措置を講じること。
【国交省の回答１】
東葉高速鉄道に対する支援としては、鉄道・運輸機構に対して負っている建設に係る債務の元利償還について二度にわたり大幅に償還期限を延長している。さらに東葉高速鉄道には、国費による利子補給など、累次の支援を行っている。
【質問２】
東葉高速鉄道の利払い負担に対する補助をはじめとして、長期債務の元利償還金の負担に対する抜本的な支援についてご検討いただくこと。
【国交省の回答２】
東葉高速鉄道の支援策等の検討については、国も含めた東葉高速自立支援委員会のメンバーで行うこととしており、国土交通省としては、引き続き、利子補給等により経営改善に向けた支援を実施するとともに、自立支援委員会の場で状況に応じた必要な措置について協議していく。
【質問３】
東葉高速自立支援委員会等における支援のあり方の協議に対するより積極的な参画など、引き続き、関係者が一体となった支援策の検討に一層の関与をしていただくこと。
【国交省の回答３】
東葉高速鉄道の経営状況は、１３期連続で黒字を計上するなど堅調に推移している一方、金利動向によっては将来資金不足となる可能性があるなど、楽観視できない状況にあると認識している。
同社の経営の安定化のためには、地域の沿線開発や魅力的なまちづくりにより、利用者数の底上げを図ることが重要であり、引き続き、利用促進に全力で取り組んでいきたい。
国土交通省としても、自立支援委員会のメンバーとして、経営状況等の検証や支援のあり方等の協議に参画してきたところであり、引き続き、状況に応じた必要な措置について協議していく。
【石川の解説】
結論から申し上げれば、国（国交省）は東葉高速鉄道に対して、現在行っている以上の措置は講じない（考えていない）ということがわかりました。
これまで約２０年にわたり千葉県や船橋市、八千代市が要望を続けてきたことに対して正式な返事がなかったことから、ある程度は覚悟していましたが、このような形で直接の返事を聞くと、正直ショックです…。
質問の１と２で、東葉高速鉄道が鉄道建設・運輸施設整備支援機構に対して抱える多額の長期債務（残り約2,300億円）の軽減や補助に対するこれまで以上の抜本的な措置を求めましたが、国交省としては、これまでに①償還期限を延長していることや、②国費による利子補給を行っていることなどの理由により、現時点では、さらなる措置はしない（考えていない）という返事でした。
これが実現しないと、東葉高速鉄道の長期債務返還の見通しがつかないため、当面の運賃の値下げは難しいと考えます。
さらに、質問３では、東葉高速自立支援委員会へのより積極的な国交省の参画を求めましたが、「これまでも参画しているし、これからも協議していく」という返事でした。千葉県や船橋市・八千代市から見ると、あまり積極的ではないと感じられたからこその要望なのですが、これからも「これまでと同様」の態度なのかなと推察されます。
国（国交省）からこのようなお返事が来てしまったので、東葉高速鉄道の高額運賃問題に対して、次の一手をどうしようかと悩みます…。
もちろん、国に対しては、千葉県や船橋市・八千代市と共に、これからも引き続き要望は続けていきますが、何かよほどのことがない限り、国が動くことは考えられないことがわかりました。
「よほどのこと」というのは、考えたくありませんが、東葉高速鉄道株式会社の資金ショートが現実味を帯びてくることなどが考えられると思います。
東葉高速鉄道の資金ショートの可能性についての詳細はこちら。
今後は、鉄道行政に明るい大学の先生や鉄道系シンクタンクなど、有識者の方々にコンタクトをとって、次の一手について作戦を練っていきたいと考えています。
２０２４年３月２１日 千葉県議会議員（船橋市選出） 石川りょう