皆さん、こんにちは。
千葉県議会議員(船橋市選出)の石川りょうです。
こう聞いて、「ぜひ読んでみたい!」と思う方は、正直なところ、あまり多くないかもしれません。
県のホームページに掲載されている、いかにも行政内部向けの資料です。
しかし、実はこの資料。
来年度、千葉県が何に力を入れ、どこに税金を重点的に使おうとしているのか、その方向性を知ることができる重要な資料です。
千葉県では、令和9年度当初予算の編成に向けて、各部局に対する「予算要求通知」が出されました。
簡単に言えば、
「来年度の予算を要求するときは、こういう考え方で要求してください」
と財政当局が各部局に示す、予算編成のスタートラインです。
まだ令和9年度予算が決まったわけではありません。
これから各部局が事業や予算額を要求し、それを財政当局が査定し、最終的に知事が予算案としてまとめ、県議会で審議することになります。
では、来年度の千葉県は何を重視しようとしているのでしょうか。
今回の通知から、私が特に注目したポイントを3つご紹介します。
1.「防災県・千葉」が重点に
まず注目したいのが、
「防災県・千葉」の確立
です。
令和9年度の予算編成では、県の総合計画の目標年度である令和10年度を見据えながら、防災対策などを重点的に進める方針が示されています。
これは、今の千葉県にとって非常に重要なテーマです。
先般の豪雨では、船橋市を含む県内各地で道路冠水や浸水被害などが発生しました。
私自身も現地を確認するとともに、県議会において、
・河川整備
・内水氾濫対策
・排水機場の老朽化対策
・道路冠水への対応
・流域治水の強化
などについて、県の対応を確認してきました。
災害は「起きてから対応する」だけでは不十分です。
気候変動などによって、これまでの想定を超えるような豪雨が増えている中、河川、下水道、道路、排水施設などを総合的に強化していかなければなりません。
その意味で、「防災県・千葉」が予算編成の重点に位置付けられたこと自体は評価したいと思います。
ただし、大切なのは言葉ではなく、実際にどれだけ予算が配分され、どの事業が前に進むのかです。令和9年度予算案が具体化してきた段階で、しっかり確認していきたいと思います。

▲ 冠水するアンダーパス
2. 千葉県の「成長」にもお金を使う
もう一つのポイントが、
千葉県の経済成長につながる投資
です。
今回の予算編成では、「地域産業成長プランの推進」という考え方が打ち出されています。
具体的には、
・成田空港のさらなる機能強化
・幹線道路ネットワークの整備
・産業クラスターの形成
・企業誘致
・県内産業の振興
などを通じて、県内経済の成長につなげていこうという方向です。
自治体の予算というと、
「限られたお金をどう配るのか」
という議論になりがちです。
もちろんそれは非常に重要です。
しかし、それと同時に、
将来の税収や雇用を生み出すための投資
という視点も欠かせません。
特に千葉県には成田空港があります。
空港機能の拡大を、空港周辺だけの話に終わらせず、道路や物流、観光、産業誘致などを通じて県全体の成長につなげられるかが重要になります。
船橋市にとっても無関係ではありません。
私はこれまで、県北西部の慢性的な交通渋滞、とりわけ船橋我孫子線、いわゆる「船取線」の4車線化など、道路ネットワークの強化を県議会で訴えてきました。
経済活動を活発にするうえでも、道路渋滞は大きな損失です。
「成長のための投資」というのであれば、県北西部の交通インフラについても、しっかり予算を振り向けていく必要があります。

▲ 成田空港の機能強化
3.「去年もやったから今年も」は通用しない
そして、私が今回の通知で特に重要だと考えているのが、
既存事業の見直し
です。
県の財政は決して余裕があるわけではありません。
社会保障関係費の増加、公債費、職員給与、物価や人件費の上昇、県有施設の老朽化など、今後も支出が増える要因が数多くあります。
そのため今回の通知では、継続して実施している事業についても、効果や必要性を改めて検証し、見直すことが求められています。
私は、この考え方は非常に重要だと思っています。
行政にはどうしても、
「去年も実施したから、今年も実施する」
「昔から続いている事業だから、そのまま続ける」
という慣性が働きがちです。
しかし、県民の皆さんからお預かりしている税金を使う以上、
「何をやったのか」だけではなく、「その結果、何が良くなったのか」
まで検証する必要があります。
例えば、
「研修を100回実施しました」
というだけでは、本当に政策として成功したのか分かりません。
重要なのは、
「その研修によって何人の行動が変わったのか」
「課題がどの程度改善したのか」
という結果です。
こうした考え方は、行政の世界では「アウトプット」ではなく「アウトカム」を重視する考え方と呼ばれます。
私は県議会でも以前から、事業を実施した回数や人数だけではなく、実際にどのような政策効果が生まれたのかまで評価すべきと申し上げてきました。
限られた財源を有効に使うためには、
成果が出ている事業にはしっかり予算を配分する。
一方、目的を達成できていない事業については、やり方を変える、あるいは必要に応じて見直す。
こうしたEBPM(証拠に基づく政策立案)の考え方を、予算編成にもさらに徹底していくことが必要だと考えています。
4.千葉県の予算は「2兆円超」
ちなみに、千葉県の令和8年度当初予算の一般会計は、約2兆2,500億円です。
非常に大きな金額です。
だからこそ、
「予算総額がいくらになった」
だけを見るのではなく、
その2兆円を超えるお金が、どの政策に、なぜ配分されるのか
を見ることが重要です。
予算には、その自治体の政策の優先順位が表れます。
防災を重視すると言いながら、防災予算が増えていなければ意味がありません。
子育てを重視すると言いながら、現場の課題に予算が届いていなければ意味がありません。
道路渋滞を改善すると言いながら、事業が何年も進まなければ意味がありません。
行政の「言葉」と「予算」が一致しているのか。
ここを確認することも、県議会の重要な仕事だと考えています。
5.これからが本番です
今回発表されたのは、あくまで「予算要求」の段階です。
これから各部局から具体的な要求が上がり、査定が行われ、令和9年度当初予算案がまとめられていきます。
私は県議会議員として、特に、
①豪雨を踏まえた防災・治水対策
②県北西部の道路・交通インフラ
③子育て・教育・福祉など暮らしに直結する施策
④既存事業の効果検証と見直し
などを注視していきたいと思います。
そして、「何にいくら使うのか」だけではなく、「その予算によって県民生活がどう良くなるのか」という視点で、令和9年度予算をチェックしていきます。これから令和9年度予算が具体化していく中で、県民の皆さんの生活に関係の深い事業については、このブログでもできるだけ分かりやすくお伝えしていきたいと思います。
2026年9月9日 千葉県議会議員(船橋市選出) 石川りょう
