
BBCで2重被爆者を笑いものにした件が、
最近ニュースになっています。
この問題は、BBCの人気コメディー番組「QI(キューアイ)」で、広島と長崎で相次ぎ被爆しながら生き延びた、故・山口 彊(つとむ)さんを「世界一運の悪い男」と紹介し、スタジオから笑いが起こるなどしたものです。
このときの映像が、動画で流れている。
彼らの会話ですが、Gooに慨訳がでています。
http://news.goo.ne.jp/article/newsengw/world/newsengw-20110125-01.html?pageIndex=2>司会者の名前はスティーブン・フライ。「SF」と表記します。その他のイニシャルの人たちは回答者(みんなコメディアンです)。(略)としているのはその間に言葉のやりとりなどがあったことを意味します。
>SF: 世界で一番不幸な男の何が幸運なんだと思う?(略)えーと、この人は見方によって、最も不運とも最も幸運とも言えるんだ。(略)彼の名前は、ツトム・ヤマグチという。実際には2010年1月に93歳で亡くなっているんだけど。ずいぶん長生きだったから、それほど不運だったとも言えないね。(略)
>AD: 爆弾がその人の上に落ちて、跳ねとんだとか。(会場笑い)
>SF: この人は原爆が爆発したときに商用で広島にいて、ひどい火傷を負ったんだ(略)次の日、彼は汽車に乗って、ということは驚いたことに、原爆が落ちた翌日なのに鉄道は動いていたわけだよ。なので彼は長崎へ汽車に乗って、そこでまた原爆が落ちたんだ。(会場笑い。回答者の一人ははすごいな……と言いたそうな表情で首を振っている。背景には、二つの>キノコ雲の写真とその間に山口さんの大きな写真)
>SF: 彼は称えられ、ある種の英雄のように扱われて、でも二度被爆した人としてようやく正式に認定されたのは90代になってからだった。自分と同じような経験をした100人以上もの人に会っていると言い、たくさんの友人がいたんだそうだ。とても陽気な人だったんだよ。(略)
>RB: 要はあれだね、杯は半分空だというか半分入ってるというかで。でもどちらにしても、放射能を帯びてるわけだ。だから、飲んじゃダメだよ。(会場笑い)(略)
>SF: でも僕が何に驚いたって、広島に原爆を落としたのに次の日には鉄道がもう動いていたっていうのが。だってこの国だったら……。略)
>BB: 枯れ葉が何枚か落ちただけで、もう終わりだ。(訳注・イギリスでは英国鉄道が列車遅延の理由として、落葉や「the wrong kind of snow(雪の種類がダメ、違ってる)」と説明して国民に馬鹿にされるので。これに引っ掛けたジョークが以下続く)(略)
>BB: 爆弾の種類がダメなんですよ、爆弾の種類がダメなんです。(みんな大笑い、以下ずっと笑いが続く)SF: (駅アナウンスを真似して)明らかに、爆弾の種類が合ってましたから。大丈夫ですよみなさん、心配しないで、爆弾の種類は合ってますから。
私が見た所感ですが、結論からすると、これを笑いにしてはいけないと思う。ただし、微妙なんだな。
コメディアン達は、イギリスの電車システムと日本のシステムとの対比をしている。しかしながら題材が悪かった。多分向こうのセンスでは、原爆の落ちた次の日でも、日本の電車は動いていたということを言いたかった感じはある。
しかし、これを言いたいがために、山口さんを使ったことで、おかしくなっている。そして、笑いに混ぜてしまった事で、裏側に見え隠れする主張は、日本人には見えなくなり、単に尊厳を傷つけた印象になっている。
問題な部分は以下だと思う。
<問題1>
・原爆はイギリスが落としたものではなく、アメリカであるが、イギリスもまた連合国に所属していた。従って、この原爆を落としておきながら、不幸だというコメントは侮辱につながる。こんなのは公共の電波で行うことはおかしい。
<問題2>
・原爆2重被害者に対して、それを不幸な男とコメントしたこと。これがまずい。広島原爆や長崎原爆で被害に会われた方は、忌まわしい思い出であり、現在でも、亡くなられた方と我々は2世代ぐらいの関係である。これを聞いて不快に思わない人はいないだろう。
この件に関して、
BBC側では真摯に謝罪しているようです。しかし思うのだけど、コメディアンからも真摯に誤って欲しいと思う。出ないとほかの英国人まで同一視されてしまう。
最後に日本人としてコメントしたい。この英国人達のことで、日本と英国の関係がおかしくならない事を願いたい。多くの日本人が侮辱的に感じたことは確かであるが、笑いに対する感覚の違いと言うような気もする。すべての英国人がそうではないことだけは心にとどめて置いたほうが良いと思う。