明らかに談合リベート物件の公募事例 | マンション管理組合コンサルタント ㈱CIP須藤桂一の日記

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破綻する長期修繕計画の改善、マンション管理委託品質向上や大規模修繕工事のムダやムラを適正化する管理組合コンサルタントをしています。

 見積書以前の段階で、談合を見抜くポイントがあります。それは、公募の際の見積り参加条件をチェックすることです。

 

 マンションの大規模修繕工事を受注したコンサルタント(設計監理者)は、前述の通り工事業者を選定するために公募を行います。

 

 公募は業界の新聞などに掲載しますが、談合を確実に成功させたいコンサルタント(設計監理者)は、公募の際に見積り参加業者を絞ろうとします。そこで、工事費の見積りに参加できる業者を制限するため、見積り参加条件をつけるのです。

 

 例として、実際の公募で出されていた見積り参加条件をいくつか紹介しましょう。

 

◆事例A

(1)資本金:ゼネコン20億円以上/専業・管理会社1億円以上

(2)特定建設業許可

(3)直近3年間の完成工事高:年間20億円以上/分譲マンション修繕元請け:年間5億円以 上

(4)直近3年間で1億円以上の同工事元請け実績が5件以上

(5)自社と同等以上の保証人か工事履行補償保険を付保できる

 

◆事例B

(1)特定建設業の許可から10年以上経過している

(2)○○県に支店、営業所等の営業拠点がある

(3)法人で資金がゼネコン10億円/専業1億円以上

(4)過去3年間に100戸以上あるいは1億円以上の分譲マンション改修工事元請け実績が10件以上

(5)工事完成保証人がつけられる

(6)その他条件あり

 

◆事例C

(1)資本金:総合建設業・管理会社は5億円以上/改修専業者は1億円以上

(2)完成工事高:20億円以上(過去3年間平均)

(3)工事実績:①当マンションと同等規模(団地型総戸数380戸以上)の分譲集合住宅改修

工事の元請けとしての実績を3件以上有すること

②請負金額1億5000万円以上の集合住宅修繕工事の元請けとしての実績を6件以上有すること

(4)建設業許可:特定建設業許可を有すること

(5)会社所在地:東京都・埼玉県のいずれかに本社・支店・営業所があること

(6)技術者:1級建築士または1級建築施工管理技士の有資格者が10名以上在籍すること

(7)監督員:1級建築士または1級建築施工管理技士の資格を有し、大規模修繕工事の現場代理人経験が3現場以上ある技術者が、本工事の現場代理人を担当できること。また現場代理人を含め、現場監督員4名の常駐体制が確保できること

 

 これらの事例の工事対象であるマンションは、いずれもそれほど大規模な建物ではありません。それでも、このような見積条件がつけられていました。これらの条件に合致し、見積りに参加できる工事業者はほんの数社しかないでしょう。このように厳しい見積り参加条件がつけられた公募は、まず間違いなく談合の存在を疑うことができます。

 

 ただし、「公募で見積り参加条件をつける」という行為だけで、談合やリベートを疑うのは早合点ではないかという指摘もあります。実際、談合のやり口は巧妙ですので、談合を行っている確たる証拠もなければ、あくまでも推測でしかありません。

 

 しかし、私はコンサルタント(設計監理者)などの関係者から「工事業者からリベートをもらっている」という証言を聞いていますし、工事業者からは「コンサルタント(設計監理者)にリベートを払っている」という証言もたくさん聞いています。証拠がないだけで、談合の実態は確実にあるのです。