コンサルタント(設計監理者)と工事業者の談合は実に巧妙な手段で行われているため、その尻尾をつかむことは容易ではありません。また、たとえ談合をしていることを見抜いたとしても、「おっしゃる通り、うちとあそこの会社とで談合をしていました」などと認めることもないでしょう。
しかし、証拠をつかむまでには至らなくても、「これは談合している可能性がある」とある程度判断することはできます。
まずは、複数の工事業者が提出してきた見積額が不自然に近い数字であれば、確実に談合をしていると思っていいでしょう。見積額のばらつきが、最安値を100とした場合、最高値が110~120ぐらいの範囲に留まっているようなら、それは談合の可能性大です。
私の経験上、見積額にある程度のばらつきが出るのは当然のことです。100の最安値に対して、150~200の最高値があってもまったくおかしいことではありません。
わかりやすく、ペットボトルのお茶・伊藤園の「おーいお茶」を例にしてみましょう。自動販売機だと150円が相場ですが、コンビニでは120円程度で売られていますし、スーパーや量販店でまとめ買いをすれば80円程度で買えるところもあります。同じメーカーの同じ商品でも、最安値と最高値では1.5倍程度の開きがあるわけです。観光地やゴルフ場に行くと200円や250円も見かけます。
それでも、「なぜ同じ工事範囲で同じ仕様で見積もっているのに、見積金額に倍近い差が出ることがあるのか?」と疑問に思われるかもしれません。これは見積りを出す工事業者の立場や状況によるところが大きいといえます。
たとえば、その見積りを提出する時期にちょうど仕事があまり受注できていない業者の場合、社員を遊ばせているよりは、と利益があまり見込めなくても受注に走り、通常より何割か金額を下げてくるというケースはよくあります。反対に、受注残が豊富にある業者などは、通常より何割も高い金額で見積りを提出したりするものです。
見積書は仕様も内容も各社でバラバラなので、金額だけで判断するのは難しいものですが、ひとつの知識として参考にしてください。