大規模修繕工事の完成・引き渡し、アフターサービス | マンション管理組合コンサルタント ㈱CIP須藤桂一の日記

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破綻する長期修繕計画の改善、マンション管理委託品質向上や大規模修繕工事のムダやムラを適正化する管理組合コンサルタントをしています。

 工事が終了したら、検査を実施したのちに引き渡されます。ここでは竣工書類の整備をしっかりとしておきましょう。建物調査・診断、設計、工事業者選定、工事監理などの業務ごとに書類を整えて、あとからその記録を振り返ることができるようにしておきます。

 

 特に、アフターサービス(以下、アフター)でもっとも大切な保証に関する書類、検査記録、日報、工事写真、取扱説明書などは、各種書類のファイルの背表紙が10~20cmの厚さになるほど膨大な量になります。それらの書類は非常に大切ですので、紛失や破損などを防ぐためにも、電子データでももらっておくことをお勧めします。

 

 契約や工事の内容によりますが、引き渡し後には1年、3年、5年など、マイルストーンでアフター点検を行う仕組みになっているといいでしょう。ただ、このアフター点検は、工事業者にとってはもっともやりたくない仕事のひとつといえます。アフターの担当者には、出世路線に乗っていない人材、つまり会社から優秀だと評価されていない人材があてがわれることが一般的で、どこの工事業者でも対応はよくないと思っておいたほうがいいでしょう。

 

 最近では、大規模修繕工事の瑕疵保険という仕組みができています。工事業者としてはコストがかかり、できれば避けて通りたいアフター対応を保険でまかなうという仕組みです。国土交通省で認可された保険制度で、アフターでのトラブルを見るに見かねてできたと思われるものですが、アフターで瑕疵が発見された際に、その修理費用の8割が保険で負担され、工事業者側は2割の修理費用の負担で済むようになっています。工事業者にとってはありがたい内容で、また積極的に瑕疵の補修をしてくれる体制作りとしてもいいと思います。

 

 保険には工事業者が加入し、瑕疵があった場合は工事業者に保険金が支払われる仕組みですが、万が一工事業者が倒産している場合には、補修費用の全額が管理組合に支払われます。ただし、工事業者が加入する保険といえども、見積書のどこかにはその保険料が含まれていることを覚えておきましょう。

 

 アフターの保証は、部位や工事スペックによって保証年数が異なってきます。一般的に、防水工事は5~10年、塗装工事は5~7年、鉄部塗装は2~3年など、特記仕様書で定義されていますので確認してください。