建物調査・診断 | マンション管理組合コンサルタント ㈱CIP須藤桂一の日記

マンション管理組合コンサルタント ㈱CIP須藤桂一の日記

破綻する長期修繕計画の改善、マンション管理委託品質向上や大規模修繕工事のムダやムラを適正化する管理組合コンサルタントをしています。

 1回目の大規模修繕工事の場合、まず新築から10年目くらいに必ず管理会社から何かしらの報告があります。

 

 実際、このくらいの時期のどこかで建物の調査・診断をやるケースをよく見かけます。具体的には、管理組合で居住者にアンケートを取り、共用部分の不具合などについて意見を聞くほか、専門家による建物診断を行い、目視調査、打検調査、機械調査などで建物の劣化状況や設備の状況を調査します。

 

 この段階で、大規模修繕工事を受注したい工事業者に建物調査・診断を依頼してしまうと、「位置について、ヨーイ」となってしまうことは明らかで、あとは「ドン」というだけでスタートを切ってしまうことがありますので要注意です。

 

 たとえば、風邪をひいた場面を想定してみましょう。近所の内科医にかかろうとしますが、いくつか選択肢があります。一番近所にある内科のA先生は、注射でも点滴でもなんでもOKです。隣町にある内科のB先生は、薬をたくさん出してくれます。さらに遠くにある内科のC先生は、注射も点滴もすぐにはしないし、薬もなかなか出してくれません。

 

 風邪をひいたのがお父さんだとしましょう。明日大切な会議があり、なんとしても出社しなければならないお父さんは、なんでも希望の処方をしてくれるA先生を頼って、注射と点滴を打ってもらい、大量の薬を出してもらいます。高い診療代や薬代を取られ、体にも多少負担はかかりましたが、おかげでなんとか翌日の会議に出られるまでに回復しました。

 

 次に、風邪をひいたのが小学生の子どもだとしましょう。できるだけ注射や薬に頼らず、自分の力で治るようにしたいところです。そこで、きちんと症状を見極め、必要最低限の薬を処方してくれるC先生のところへ連れていくことにしました。

 

 このように、そのときの状況次第でかかる病院や先生を考えるのと同じように、建物調査・診断も誰に頼むかで、その処方の仕方が大きく違うのです。