正確で破綻のない長期修繕計画を作るために | マンション管理組合コンサルタント ㈱CIP須藤桂一の日記

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破綻する長期修繕計画の改善、マンション管理委託品質向上や大規模修繕工事のムダやムラを適正化する管理組合コンサルタントをしています。

 長期修繕計画は、大規模修繕工事などをどのような規模や周期で行うか、またその費用の概算などを盛り込んだものであり、修繕積立金の額はそれにもとづいて設定されます。

 

 つまり、長期修繕計画は、修繕積立金算出の根拠となる大切なものなのです。違う言い方をすれば、長期修繕計画は、最終的に修繕積立金の金額が高いか安いかを判断する資金繰りの計画表ともいえます。修繕積立金の金額の妥当性を定期的にチェックするため、そして建物の現実を反映させるためにも、長期修繕計画は5年おきに見直しすることをお勧めします。

 

 長期修繕計画において、コスト(=修繕積立金)の大きな削減につながるポイントは「工事周期」です。

 

 大規模修繕工事を12年周期で計画した場合、工事の実施は12年後→24年後→36年後となります。これを、たとえば15年周期にすると、工事の実施は15年後→30年後→45年後となり、18年周期にすると、18年後→36年後→54年後となります。この3年から5年の延長が、工事の全体費用に大きな影響を与えるのです。

 

 実際、私たちシーアイピーが関与したマンションでは、だいたい平均で16~17年くらいの周期になっています。なかには、19年目に1回目の大規模修繕工事を実施したマンションや、築12年目で計画されていた大規模修繕工事の計画を6年間凍結して、18年目へ先延ばしにしているマンションも複数あります。いずれのマンションでも、12年周期よりも周期を延ばしたからといって、特に大きな問題は起きていません。

 

 ただ、10年以上建物を使っていれば、当然汚れやひび割れ、軽微な破損や故障は出てきます。もしそういう場所があれば、そこだけを先行して「パッチワーク」で工事を行えば済むことです。建物全体に足場をかけて大がかりな修繕工事をしなくても、気になるところだけ工事をするという選択肢があることも、ぜひ知っておいてほしいと思います。