株式会社ユーグレナの出雲充さんの講演 | マンション管理組合コンサルタント ㈱CIP須藤桂一の日記

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破綻する長期修繕計画の改善、マンション管理委託品質向上や大規模修繕工事のムダやムラを適正化する管理組合コンサルタントをしています。

拓殖大学の客員教授を仰せつかり、その勉強のために自分の受け持つ講座を一般聴講生と聞きに行く機会をいただけた。


その時の講師が、株式会社ユーグレナの出雲充(いずも みつる)さんである。

ご存知の方も多いと思うが、昨年12月20日に東証マザーズに上場した33歳の若き実業家である。


◆出雲さんの簡単なプロフィールを紹介する。

 1980年広島県呉市生まれ、その後東京の多摩ニュータウンへ移住し、駒場東邦から東大に進学し、三菱銀行をへて、2005年に2人の仲間とともに3人で株式会社ユーグレナを設立、2012年に見事上場を果たすのである。

この様に書くと、順風満帆のサクセスストーリーを想像されるだろうが、ところがどっこい、実はあやうく倒産寸前まで追い込まれているのである。

このあたりの波瀾万丈ストーリーは、ご自身の著書で読んでください。


◆「和名:ミドリムシ(学名:ユーグレナ)」

 講演の冒頭で、出雲さんは「みなさん、ミドリムシをご存知ですか。誤解されている方も多いのですが、ミドリムシは、青虫でも芋虫でミジンコでもありません。藻の一種です」とトレードマークのライトグリーンのネクタイをなびかせて話し始めた。

 ミドリムシは、5億年以上も前に地球上に生まれた単細胞生物で、現在も水田などで普通に生息してるらしい。では、なぜ今、このミドリムシが注目を集めているかといえば、大きくは3つである。

・植物と動物の間の生き物で、その両方の栄養素(59種類)を作り出す。

・体内に葉緑素を持つため光合成(二酸化炭素を取り入れて酸素を供給する)をおこなえるので、CO2削減にも貢献できる。

・さらに、その光合成により体内に蓄えた油を精製するとなんとジェット燃料にもなりうる画期的なバイオ燃料の可能性もある。

 現在、世界が抱えている食料危機・地球温暖化・エネルギー危機を一挙に解決できる可能性を持つ生物なのだ。出雲さん流に解説すると、「ミドリムシ」は漫画「ドラゴンボール」に出てくる「仙豆」に匹敵します・・・と。


◆では、この奇跡的な生物を出雲さんだけが世界に先駆けて着目したかといえば、そんなことはない。日本でも30年以上前からミドリムシの研究は国策レベルで進められていたのだ。では、何が違ったかといえば、他の研究者やチームはそのミドリムシを研究室レベルでは培養できても、「世界」を救うほどの大量培養を果たせなかった。

◆この大量培養に成功した立役者が、東大で1年後輩で現在、研究開発担当取締役を務める鈴木健吾さんだ。出雲さん曰く、彼は超難解な金融工学の数式を鼻歌交じりで暗算で解いてしまうほどの本物の天才だとのこと。鈴木さんがいなかったら、ミドリムシは相変わらず水田やため池レベルで日向ぼっこしながらポコポコと酸素を吐き出す程度で、人様にはその存在を知られることはなかったに違いない。

◆講演の締めくくりで、出雲さんは声を大にした。「5億年前から生息するミドリムシは、とるに足らないくだらない生物です。でも、このミドリムシがエネルギー源を持たない日本を救えるのです。貧困にあえぐ難民の方々に簡単に栄養素を供給できるのです。世界を破滅に導きかねない地球温暖化を防ぐことができるのです。この世に「くだらない」ものなんてないことを皆さんに知ってもらいたいのです」と。

◆今、雑誌・TV・Web上で出雲さんは時代の寵児のように各方面に登場する。しかし、私は講演される出雲さんを見つめながら、成功体験を語る今の姿よりも、大学時代の鈴木さんと寝食を共にしながら培養開発に取り組む姿や全国津々浦々を這いつくばりながら「ミドリムシ」の営業に回っている姿のほうが強烈にイメージされる。

◆出雲さんは全国約250万社の中小企業の経営者の方々に対して、「この世にくだらないものなんてないんだ」と自分の稼業に誇りをもって挑戦する勇気を与える方だと確信しました。出雲さんやユーグレナのことにご興味のある方は、下記の著書を読んでみてください。きっと何か共感できるものがあると思います。

◆そして、最後に学生に対して「1番になれ」と声を荒げながらおっしゃっていました。富士山や琵琶湖は知ってても、2番をだれもしらない。それほど1番は偉大なことだと。その通りだと思います。

「僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。」
(著者:出雲充 出版:ダイヤモンド社)

いつも、あでやかな緑色のネクタイと独特のメガネスタイルでお話をする出雲さんの姿がとても印象的でした。