学級崩壊したクラスを次々と立て直し、
全国の教育関係者から注目を集める
北九州小倉中央小学校教諭の菊池省三氏。
「ほめ言葉」の力を生かして
子供たち一人ひとりに自信を持たせ、
教室を楽しい学びの場に変えてきた氏の記事が
『致知』最新5月号の記事の冒頭部分をご紹介します。
┌───今日の注目の人───────────────────────┐
「ほめ言葉シャワーで子供たちが変わる」
菊池省三(北九州市立小倉中央小学校教諭)
『致知』2013年5月号
特集「知好楽」より
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私が十五年ほど前から教室の中で行っている
「ほめ言葉のシャワー」という取り組みがある。
これは一人ひとりのよいところを
クラス皆で見つけ合う活動で、
その日の主役となる子が帰りの会で教壇に上がり、
文字どおり全員で、ほめ言葉をシャワーのように浴びせていく。
ほめ言葉は、原則として
「事実(一文)+気持ち(一文)」の構成で次々と自由に起立し、
スピーチを行う。
全員が「ほめ言葉のシャワー」を言い終えたら、
今度はシャワーを浴びた子が、
それに対してお礼や感想を述べる。
元々の取り組みは、三学期に卒業式までの
日めくりカレンダーをつくり、
「○○ちゃんの頑張っているところを皆で言ってあげよう」
というものだった。
しかしこれでは卒業前にしかできない。
そこで学期ごとの終業式に合わせて年三回にしたところ、
やはり反応がよく、現在では日常化して、
毎日帰りの会で行うようにしている。
一日十五分程度のものだが、
毎日行うことで子供たち一人ひとりは自信を持ち、
集団生活の場である学級には安心感が広がる。
積極型の人間が育ち、絆の強い人間関係が築かれていくのである。
この取り組みはいま全国へと広がりつつあるが、
さらに多くの教育現場で行われてほしいと願っている。
学級崩壊が常態化した今日では、教育の制度を変えたり、
新しい組織を立ち上げればよいといったことを考えがちだが、
すべての根っこは「言葉」の問題に尽きるのではないかと
私には思えてならない。
あまりに日常的なことのため等閑にしがちだが、
人間は言葉を元に思考していくのだから、
言葉が育てば心が育つ、人が育つという捉え方を
もっとしていくべきではないだろうか。