桐谷さんに連れてこられたのは、休憩用のテントの下だった。
翔「大丈夫だった?」
雛「は、はい……」
(助かった……でも、どうして彼が……?)
翔「あの……沢城さん、だったよね?」
雛「は、はい。あの……この前はお仕事お疲れ様でした。」
翔「撮影楽しかったね!……てかさ、なんかオレら、いつも唐突に会うよね?」
雛「……そうですか?」
翔「そうだよ!ぶつかったのがはじまりだし」
そう言って翔くんは笑った。
無邪気な笑顔に、私はドキドキしてしまう。
(やだ……顔が赤くなっちゃうよ……)
翔「どうしたの?下向いて」
雛「い、いえ…と、ところで、私なんかと立ち話してていいんですか?」
恥ずかしくて、私は話をそらす。
翔「それがさ、今、撮影中止してるんだよね」
雛「中断って、どうしてですか?」
翔「さあ……よくわかんないんだよね」
そう言って、桐谷さんが首をかしげていると……
スタッフ「ふぅ、ふぅ……脱出成功……であります……」
ゼエゼエと息を乱して、先ほどの丸い体のスタッフさんがヨロヨロ歩いてくる。
翔「ポン太さん、大丈夫?凄い汗だよ」
ポン太「は……」
雛「大丈夫ですか?」
ポン太「あれ、あなたは……?」
翔「最近デビューした新人さんだよ」
ポン太「なんと!これはこれは先ほどは失礼致しました。わたくし、ADのポン太と申します!」
雛「沢城 雛です。よろしくお願いします。」
ポン太さんがに深々と頭を下げるに、また私はつられてしまった。