翔「ねえポン太さん、今って何待ちなの?」
ポン太「それが…セリフありのエキストラさんが急に来れなくなってしまったたらしくて
代わりの方を探しているんです……
そうだ!」
突然大きい声を上げて、ポン太さんが私を見る。
ポン太「雛さん、エキストラで出演してくれませんかっ?!」
雛「ええっ?!」
ポン太「お願いします!」
雛「でも……」
ポン太「このままだと、どんどん撮影が遅れてしまいます!」
地面におでこが着きそうなほど、ポン太さんは深く頭を下げている。
(どうしよう……
撮影が遅れちゃったら困るよね……)
雛「私でよかったら、やります」
ポン太「ほんとですかっ?! ありがとうございます!」
翔「良かったね、ポン太さん。 でも沢城さん勝手に出たら、事務所に怒られちゃうんじゃない?」
(そっか、じゃあ、山田さんに電話してみて……)
雛「あっ!!」
翔「どうしたの?」
雛「私、この後取材が入ってました……」
翔「なんだ、それじゃあ撮影は無理だね」
雛「すみません……」
ポン太「ああ~ どうしましょう、 このままじゃ撮影が再開できません」
雛「ポン太さん…… 本当にごめんなさい」
ポン太「いえ、雛さんのせいじゃありません。無理を言ってしまって、こちらこそ申し訳ねーっす」
ポン太さんが深いため息をついた。 その時……
翔「あ、そうだ。ねえ、監督から事務所に交渉してもらうって、どうかな?」
雛「事務所って、 うちの事務所ですか?」
(監督から交渉って……そんなことできるのかな?)
翔「ねえ、ポン太さん。監督に聞いてみたら?」
ポン太「そうっすね。雛さん、事務所の連絡先を教えてもらえますか?」
雛「はい……」
事務所の電話番号を教えると、ポン太さんは音をたてて 監督のところに走って行く
翔「OK出るといいね」
雛「そうですね……」
翔「キミが出てくれたら、オレも嬉しいし」
(え……?)
その言葉にドキッとする。
ポン太「やりました~! 雛さんの事務所からOK出ました~!」
ドタドタと、ポン太さんが戻って来た。
雛「本当ですか?!」
ポン太「はい!取材を別の日に変えて貰えるそうっす!」
翔「やった!」
ポン太「雛さん、 マネジャーの…… ええと……」
雛「山田さんですか?」
ポン太「そうそう、そうっす。後でこちらにいらっしゃるそうっす。」
(山田さん、来てくれるんだ……)
ポン太「それでは、監督と打ち合わせがありますので、一緒に来ていただけますか?」
雛「は、はい……」
(なりゆきで出る事になっちゃったけど……ドラマの撮影なんて初めてだし、なんか緊張してきちゃった……)
翔「一緒にがんばろう。 オレがフォローするから」
そう言って笑うと、彼は私の背中を優しくポン、と叩いた。