ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い | にゃ~・しねま・ぱらだいす

にゃ~・しねま・ぱらだいす

ドコにもダレにも媚を売らずに、劇場・DVDなどで鑑賞した映画の勝手な私評を。

ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い Blu-ray & DVDセット(初回限定生産)/ブラッドリー・クーパー,エド・ヘルムズ,ザック・ガリフィナーキス

【監督】トッド・フィリップス
【主演】ブラッドリー・クーパー、エド・ヘルムズ、ザック・ガリフィアナキス、ヘザー・グラハム
【オフィシャルサイト】http://wwws.warnerbros.co.jp/thehangover/

ゴールデン・グローブの作品賞にも輝き、続編の公開も備えるハチャメチャノリのコメディ映画。
欧米人好きするブラックユーモアの応酬かと思えば、日本人でも受け入れ易いシニカルな笑いもカバー。
この手の本国大ヒットコメディは内輪受けで終わることが多いが、思ったよりも馴染めた感あり。

結婚式を2日後に控えたダグは、悪友達や義弟を連れラスベガスに出向く。
高級ホテルの超豪華スィートで独身最後のパーティーを満喫する予定だった彼らだが、
翌朝2日酔いから醒めてみると、ダグは姿を消し、散乱した部屋内にはトラと乳児がいる異常事態。
誰も何が起こったのかまったく記憶がない状況の中、部屋内にあった僅かな手掛かりを伝に、
彼らは失われた夜の行動を辿ってうちに、徐々に明らかになっていく事実に驚愕することに-。

ストーリーは単純明快。途中整合性が怪しい箇所も多々あるが、そんなものは関係ない。
2日酔いでまったく記憶がない連中がナニをしでかしたを追っていくだけの話。
酒に溺れたことのある方ならご存知だと思うが、深酒をすると暴言や行動は派手になるが、
終いにはまったく動けなくなる。一晩中、乱痴気騒ぎをして活動し続けることは不可能w
だが、そういったリアリティや謎解きのレトリックを追求し続けてしまうと、映画としての
完成度は上がるかもしれないが、コメディとしてのリズムや意外性はなくなってしまう。
アタマを使わないバカコメディとしては、コレで良いのかもしれない。
予算は大作の何分の一かという話だが、それでも一般の邦画よりは段違いに上。
ラスベガスロケや派手なアクションなど、国内の同系統の作品とはやはりレベルが違う。
それが笑いに全て転化されているかというと微妙なモノの、欧米モノにアリがちな
ブラック・風刺・下ネタの類ばかりではなく(それでも結構あるが)、ジェスチャーや
シチュエーションコメディのジャンルも多々内封しているので、向こうの笑いに辟易している
方々にも取っ付き易い纏め方であるように思う。正直期待はしていなかったが、それなりに笑えた。

キャスト陣は本国では著名なコメディアンが多いらしいが、世界的なネームバリューはなし。
唯一ゲスト出演的なヘザー・グラハムが一番だが、むしろ良く出演したな、という印象。
日本ではコメディアンが出演する本当の意味でのコメディ映画というのは制作しにくい状況にあるが、
やはり懐の深さというか芸達者の部分のレベルが違うのだろう、ということは実感できた。
役者としてもエンターテイナーとしても、スクリーンでしっかり成立できるもんね。

ま、騙されたと思って見てみれば、万人にお勧めはできないがそれなりに満足できる。
爆笑はムズかしいかもしれないが、失笑というか苦笑というか『こいつらアホだな』的笑いは保障します。


【評価】
★★★☆☆