リトル・ランボーズ | にゃ~・しねま・ぱらだいす

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ドコにもダレにも媚を売らずに、劇場・DVDなどで鑑賞した映画の勝手な私評を。

リトル・ランボーズ [DVD]/ビル・ミルナー,ウィル・ポールター,エド・ウェストウィック


【監督】ガース・ジェニングス
【主演】ビル・ミルナー、ウィル・ポールター、ジェシカ・スティーヴンソン
【オフィシャルサイト】http://rambows.jp/

妙に嗜好の合う有名映画レビューサイトで絶賛されていたので、予備知識無く鑑賞。
冒険心のある子供達が主役ということで名作『スタンド・バイ・ミー』路線のイメージを持っていたが、
もっとドロ臭く、爽やかさや清清しさは皆無。郷愁も誘われることはないが、ラストは少し救われる。

1982年イギリス。
父親に先立たれた気弱な少年ウィルは、一切の娯楽を禁じる宗教を信じる母親の元で育っていた。
映画やテレビも見ることが出来ない彼の唯一の娯楽は、妄想と落書きしかないのだった。
しかし、学校一の悪童・リーと知り合ったことで彼の人生は大きく変わっていく。
両親が不在という似た境遇同士の彼らは性格は正反対ながら意気投合し、『ランボーの息子』という
自主映画を2人で制作していくこととなる-。

この作品、小粒だがキラリと光る作品であることは間違いない。
本国イギリスでは各映画賞なども受賞しているようであるし、『良い映画』であることに疑いの余地は無い。
だが、もう1つ感情移入し難いザラザラ感があることは否めない。

その大きな要因の1つは、ウィル家を取り巻く厳しい宗教戒律の存在。
宗教嫌いの自分でなくても、子供にまで一切の娯楽を禁ずるような存在は吐き気を催す悪でしかない。
これを強要する母親も教会の大人たちも、何故そういった信仰になってしまうのかまったく理解できない。
ラストでは溜飲を下げる場面もあるが、この一連のヤリトリが不快で仕方がなかった。

もう1つは悪童・リーのキャラクター。
元来映像で描かれるガキ大将というのは、悪事を働いてもどこか可愛げが残っているものであるが、
この映画で描かれるリーは、そこの部分が欠落している。(可愛そうだが)残念なことにルックスでも
感情移入し難いのだが、物事の感じ方・考え方・台詞にまったく面白みが無い。
そのクセ、歳の離れた兄にはゴマをするところなどポリシーが無さ過ぎて、キャラが弱すぎる。

あとはランボーというネタ。
古いとか懐かしいではなく、ランボーになろうとか夢中になった小学生はあまりいなかったぞ、当時。
ま、これは日英の違いかもしれないけどw

映画としてのパッケージは良質。脚本もそれほど悪くない。
だが、登場するキャラクターに皆クセがあり過ぎ、誰もコレも魅力的に描けているとは言い難い。
キャスティングの問題というより、やっぱり演出の問題なんだろーな、コレは。
期待ハズレというより、少しだけ嗜好にズレがあったな、という印象。


【評価】
★★☆☆☆