インセプション | にゃ~・しねま・ぱらだいす

にゃ~・しねま・ぱらだいす

ドコにもダレにも媚を売らずに、劇場・DVDなどで鑑賞した映画の勝手な私評を。

新年あけましておめでとうございます。Toshikiです。
相も変らぬある時更新の不定期gdgd Blogですが、
本年も生暖かい目で宜しくお願い申し上げます。

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
インセプション [DVD]/レオナルド・ディカプリオ,渡辺謙,ジョセフ・ゴードン=レヴィット

【監督】クリストファー・ノーラン
【主演】レオナルド・ディカプリオ、渡辺謙、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット、マリオン・コティヤール
【オフィシャルサイト】http://wwws.warnerbros.co.jp/inception/mainsite/

…ということで正月はタマった作品をまとめて消化できるかと思えば、さにあらず。
年を重ねれば重ねるほど、時間も老い先も短くなって行くのですね(-_-;)
今年の1本目は、昨年末DVDリリースだったこの作品。
それなりの大作の割には話題にならないのがフシギだってけど、見て納得(-_-;)

コブは、他人の夢に潜入し潜在意識の中から機密情報を抜き出す凄腕産業スパイ。
その彼に大物実業家・サイトーが、ライバル企業を潰すための仕事を依頼してくる。
跡継ぎであるロバートに、『父親が築いた巨大企業をつぶす』という思想を植え付ける
『インセプション』をして欲しいとのことだった。

アイデアを抜き出す『エクストラクション』と比較して難しく不可能に近いミッションだが、
コブは自分の犯罪歴を抹消してくれることを条件に受諾。最高のメンバーを集めるために奔走する。

相棒・アーサー、設計士・アリアドネ、偽造士・イームス、調合士・ユスフそして依頼者サイトーは、
失敗すれば永遠に虚無世界を彷徨うことになる危険で複雑なミッションをクリアして、無事帰還できるのか-。

押井マニアなら、30年前から付き合っている『夢ネタ』。
『エクストラクション』『インセプション』というアイデアは新しいが、発想自体は使い古されたもの。
今が本当に現実なのか夢の中なのか-のような話は、個人的には『またこれかよ』的既視感もある。
確かにVFXに頼らないホンモノならではの迫力ある映像表現は見応えがあるが、哀しいかな、
逆に技術が進んだ現代では、洞察力のある観客でなければ『どうせCGでしょ』と付されてしまう、
というパラドックスも起きてしまうように思う。予算があるハリウッドならではの贅沢な悩みだけど。

一昔前であれば、同じ日本人である謙さんとかつてのアイドル俳優・ディカプリオが競演というのは、
それなりに引きもあった組み合わせだろうが、演技派への転身で苦悩するレオ様(懐)と、
最早珍しくもなくなった謙さんのハリウッド大作への出演では、インパクトがなくなったのも事実。
こちらも、セールスのネタとしては痛し痒しという残念な結果である。

代表作『メメント』を初め、奇をてらったストーリー展開、発想、映像表現をするノーランが、
今回は考え過ぎた、策におぼれたという感も否めないのだが、それは期待値の高さの裏返し。
名前だけで鑑賞意欲が高まる稀有な監督として、今後もオリジナル作品を極めていって欲しい。
『ダークナイト2』も楽しみだけどw

日本人、特にこの手の映画を見飽きた人種には、少しリズムが悪く無駄に複雑で退屈かも。
ラストがハッピーエンドかバッドエンドかは観客に(相変わらず)託されてしまう。
自分は後者だと感じたのだが、マイノリティーのようで。まぁ、どっちでもエエわ(-_-;)


【評価】
★★☆☆☆