2010年映画作品超個人的視点によるベスト5 | にゃ~・しねま・ぱらだいす

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ドコにもダレにも媚を売らずに、劇場・DVDなどで鑑賞した映画の勝手な私評を。

年末である。
メディアでは『早いもので』とか『気が付けば』といったスピード感を表現する
冠言葉が溢れているが、個人的には過去最高に長く感じた1年だった。
未曾有の不況が予想以上に直撃しあまりにロクでもなかったので、
一刻も早く年代わりして欲しいと切望したほどである。
マァ、年が変わっても状況が劇的に変化するワケもないと思うが、
気分転換できるだけでも、鬱々とした現状よりはマシな気がする。

それだけ時間があるなら、さぞ映画三昧かと思いきやさにあらず。
昨年63本も消化したのに、本年はわずか36本。半分程度という体たらく。
理由はいろいろあるが、昨年ほど精神的に余裕がなかったということだな(T_T)

そんな理由で昨年は『超個人的視点によるベスト10 』を選出できたが、
今年は精々ベスト5程度が関の山ということで、『超個人的視点』の5本をご紹介。
例年通り、あくまで私個人の嗜好で万人には当て嵌まらないこと、そしてあくまで
今年見た作品で必ずしも『今年上映された作品ではない』ことをお断りしておく。

【第5位】第9地区レビュー

第9地区 [DVD]/シャールト・コプリー,デヴィッド・ジェームズ,ジェイソン・コープ


低予算を逆手に取ったドキュメンタリータッチの映像表現、馬鹿馬鹿しくも
何故かリアリティを感じさせる脚本など、監督の才能とセンスを実感した作品。
まったく期待していなかっただけに良い意味で裏切られた。


【第4位】時をかける少女レビュー
時をかける少女 【完全生産限定版】 [DVD]/仲 里依紗,中尾明慶


しつこく映像化されその度に高いハードルが科せられる原作を、
ノスタルジーな雰囲気を醸しつつ仲里依沙ならではの現代っぽさもプラス。
意外な秀作となった。『第9地区』同様、期待値と評価が反比例した好例。


【第3位】アリス・イン・ワンダーランドレビュー

アリス・イン・ワンダーランド [DVD]/ジョニー・デップ,ミア・ワシコウスカ,ヘレナ・ボナム=カーター

公開当時の不評が不思議で仕方がなかった作品。
ティム・バートン節は控えめとはいえ、映像表現・奇抜なアイデアなど、
彼ならではのテイストが溢れているし、ジョニー・デップの怪演も従来通り。


【第2位】沈まぬ太陽<レビュー>

沈まぬ太陽 スタンダード・エディション(2枚組) [DVD]/渡辺 謙,三浦友和,松雪泰子


キャスト、予算のかけ方など、邦画の正しいあり方を示した王道のつくり。
基本的に骨太な大作が好きという嗜好の問題はあるものの、それを除いても
長編原作を中断アリの3時間強という破格の扱いをした英断は評価されてよい。


【第1位】トイ・ストーリー3レビュー

トイ・ストーリー3 [DVD]/ディズニー


全体的に小粒感の漂う本年のラインナップではダントツ。
続編、しかも第3弾となると評価は下げがちになるのが通例だが、
綿密に練られた脚本とスキのない映像はシリーズであることを度外視しても、
単体の作品として圧倒的なクオリティを持っている。

本年はディズニーアニメが一番面白かった、という結論は、
ハリウッドがアクション大作やヒット作の続編に走り、
国内はTVドラマ映画を量産したことにもあると思う。
全てを否定する気はないが、安易な作品作りはクリエイティビティを育てない。
映画をビジネスにするためにはスタッフ・キャスト共に高レベルな作品を作ること、
そのためにはそれを作り出せる才能を育てることが重要である。
関係者には、不景気な今こそ未来のための尽力を注いで頂きたい。

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本年も駄文を乱筆にお付き合い頂きましてありがとおございました。
来年も本年以上の気まぐれ更新となるかと思いますが、引き続きご愛顧頂ければ幸いです。
今後とも宜しくお願い申し上げます。




Toshiki