【原題】The Exorcism of Emily Rose
【監督】スコット・デリクソン
【主演】ローラ・リニー、トム・ウィルキンソン、ジェニファー・カーペンター
【オフィシャルサイト】http://www.sonypictures.jp/movies/theexorcismofemilyrose/site/
ローマカトリック教会が公に『悪魔』の存在を認めた衝撃の実話が映画化。
19歳の少女(にしては老けてる気もするが)を変わり果てた姿にしたのは、病気か悪魔か。
大学に通うごく平凡な19歳のエミリーは、ある夜突如原因不明の発作と幻覚に襲われる。
病院で検査を受けたものの症状は一向に改善せず、悪化の一途を辿っていく。
自分の身に不可思議な存在を自覚したエミリーは、神父に悪魔祓いを要請したものの、
その試みは失敗に終わり、彼女の死後、彼は裁判に責任の有無を問われることとなる。
果たして19歳の女子大生を死に追い込んだものは、本当に悪魔の存在だったのか-。
この手のホラーというジャンルを超越した名作『エクソシスト』が思い出されますが、本作品に
同じものを求めると肩透かしを食うこととなります。ショッキングな映像は随所で現れますが、
完全な法廷劇。精神病やてんかん説を唱える検事側と、最初は悪魔に否定的なものの
自分の身に恐怖が振りかかかるようになり、次第にその存在を認めるようになる弁護士の戦い。
その合間に少女(の中の悪魔)との闘いが回想のように描かれるという手法。
余計な華のないベテラン役者陣(これはホメ言葉なのだけれど)が確かな芝居を抑えた演技で、
子役から活躍している(らしい)ジェニファー嬢も、演技派としての面目躍如(これもホメ言葉)の
常軌を逸したテンションで好演・怪演。
物語に深みと真実を基にした物語というリアリティを味付けしています。
ただ…何かこう、もう1つ地味というか淡々というか、物語の盛り上がりにかける感は否めず。
そもそも少女が亡くなっていることが序盤でハッキリしている以上筋道はどうしようもないものの、
焦点が『神父が有罪か無罪か』だけに絞られてしまうので、面白みと意外性にかけてしまいます。
ウマいと言えばウマいのだが、大量出稿されているホラー感を煽る宣伝コピーに躍らされると、
思っていたよりも低い評価で落胆してしまう可能性大です。
【評価】★★☆☆☆