レベル・リッジ | Sound@Cinema

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映画の音響技術評価などをプロ目線で、車系もたまにw
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レベル・リッジ=反乱軍の尾根という意味。

 

 

 

 

監督はジェレミー・ソルニエ、元々は撮影監督

だったけど、ブルー・リベンジの成功などから

サスペンススリラーの制作を得意とし、評価の

高い作品を生み出してきた人物です。

 

 

 

 

以前の発表ではボイエガが主演と聞いてましたが

アーロン・ピエールに交代しており、結局の所は

見終えての私的見解では、彼の起用の方が遥かに

効果的だったと思いました。

 

この英国人俳優の存在感と圧力は画面に一層の

緊張感と意思と貫く男の強さを見せてくれました。

 

ドラマは、とある田舎町にてテリーは不当逮捕

により、従弟の為の保釈金を没収されてしまう

下りから始まりますが、舐める様なショット

構成から、非常に面倒な事態が起こった事が醸し

出されます。

 

もう此処から掴みは申し分無い感じで、久々に

傑作の予感が致しました。

 

 

 

 

金が奪われた事を保釈金を収める郡裁判所に

行って相談すると、訳有りな女性サマーが

現れテリーを手助けしてくれます。

 

とんでも無い状況なのに、常に落ち着いた

口調で喋り、先読みをしながら戦略を考える

テリーに、ただならぬ人物である事も徐々

に判明していきます。

 

 

 

 

あろう事か、テリー自ら街の警察に出向き

没収された金を返却するように交渉します。

 

 

 

 

おっと、ここでドン・ジョンソン登場!!

 

しかしここにも地方ならでは財政上の問題

が横たわっており、地域を維持する為にも

不当ながらも違法スレスレな取締りを行い

現金を搔き集めて地域に還元しているとう

恐るべき腐敗を取り仕切る警察署長をの役です。

 

いやぁ彼も抜群の存在感!

 

ここらで主役級が出揃うと、うねる様な展開

で物語がは転がっていきますが、延々に鳴る

劇伴に息苦しい程の地方の事情、それを打破

しようと試みる反乱者みたいな位置付けの

黒人と訳有り女性、見逃せないシチュエーション

で画面に釘付けになってしまいました。

 

兎に角良かったのが安直に銃撃戦などに

頼らず、冷静沈着な会話により構成された

点と、本当かどうかは判りませんが米国の

地方の実情が滲み出ている点です。

 

こういうのを撮らせると職人芸的に上手い

ジェレミー・ソルニエの手腕が光ります。

 

サマーが覚せい剤を注射されて、中毒者で

あるかの如く偽装される下りや、不当逮捕に

繋がる欠陥法の乱用の仕方など、イマイチ

日本人には判り難い点もありますが、雰囲気

で不味い展開にあるのは理解出来たので、

後で調べりゃいいレベルです。

 

いやぁまじで面白かった!!久々の骨太作です。