伯爵 | Sound@Cinema

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))) Cinema Sound Works シャチョーの日々 (((
映画の音響技術評価などをプロ目線で、車系もたまにw
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おぉぉ!!これは面白かったぞ!!

 

土台は近代史でチリで独裁政権を長く担った

アウグスト・ピノチェトが吸血鬼だった!?

というびっくりの設定。

 

しかもバリバリのチリ映画。

 

 

 

 

チリの名優ハイメ・バデルがピノチェット役でした。

 

欧州で長く生き永らえた吸血鬼が南米に

渡って独裁政権をクーデターで勝ち取り

長々と居座ったその座を追われると、

大陸の南端に移り住み永遠の命を閉ざそうと

している最中、彼の抹殺を試みる修道女が

彼の元に渡って行くいくというのが大雑把

な流れです。

 

 

 

 

命を閉じるはずのピノチェット、実は夜な夜な

都市に飛行しては人間の心臓を貪り食います。

 

この空中遊泳撮影が非常に見事。

 

斬新とも言えるような意外性と美しさを

携えております。故にこの効果でオスカー

の撮影賞にノミネートされております。

 

ダークホラーというのか、ダークファンタジー

でもいいのか?かなり独特な世界観の上に

大胆にも近代史にアッ驚く仮説を放り込み

異常な程広い視点で描かれております。

 

南米が舞台なので、ほとんど馴染みの無い

歴史的事実も我々にとっては非常に新鮮。

 

 

 

 

本当にこの空中遊泳は美しいです。

思わず私も吸血鬼になりたいと思った位です(笑)

 

一部カラーにもなりますが、全編モノクロで

ドンよりした空気感がありながらも異常な

雰囲気が目新しくて堪りません。

エンドにはアッと驚く人物が登場し、此処と

あそこがくっ付くのか!?と唖然に近い程の

展開になります。

 

これは久々に本当に面白かった!!

 

てか劇場公開しないのか今作??

充分なクオリティは備わっております。