デジタルリマスター処理が掛けられた
”ブリキの太鼓”を実に久々に見直しました。
自分の意志で3歳で成長を止めたオスカー。
40年代の激動のポーランドにてオスカー
の視点から見える社会像や大人たちを
コミカルに描いた作品で、当時はカンヌ
を制しオスカーにも輝きました。
公開当時は、原作を忠実に表現した為か
露骨な性表現含めかなり汚らしいシーンに
衝撃度が大きくて話題を集めたけど日本に
おいては一般上映のままだったので、池袋
の名画座で見たのは覚えています。
なんだろうな?40年前はオスカルの行動
が割と痛快に思えたのに、今見ると邪悪
なガキにしか見えません・・・
この差を埋め合わせようと必死に考えながら
見たんですが、どうにもこうにも生理的にも
無理な気さえしてきます。
50数年生きてきて目が曇ったのかもしれません。
或いは映画の中の様な矛盾を実際に体験して
ここまで生きてきてしまったので、作品が
醸し出す雰囲気に辟易するものを読み取って
しまったのかもしれません。
ちなみにオスカーを演じた"ダーフィト・
ベンネント"は私と同じ66年生まれで
同学年という事になります。
最早こんなおっさんでありました・・・
何だか非常に老いを感じ得ずには
いられない鑑賞となりました、、、
背後に寒風が吹いているようです。