アナザーラウンド | Sound@Cinema

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映画の音響技術評価などをプロ目線で、車系もたまにw
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本年度のアカデミー賞で国際長編映画賞を

受賞したデンマークが舞台の映画です。

 

監督はトマス・ヴィンターベア、主演は写真の

通りマッツ・ミケルセンと”偽りなき者”以来の

コンビかと思われます。

 

お話は、とある哲学者の”血中アルコール濃度

を0.05%に保つと仕事の効率が良くなり想像力

がみなぎる”という理論を証明する為に、同じ

高校に勤める4人の教職仲間が実践していく

といった流れです。無論こんなことをして人生

の流れを変えようと考える輩ですから、冴えない

連中ではありました。

 

効果は容易く表れ、辛気臭い授業をしていた

各々の調子は上がっていき、生徒との信頼

関係もどんどん深くなっていきますが、0.05%

以上の血中濃度に挑んだ辺りから雲行きが

ちょっと怪しくなっていきます、、、

 

これ、4~50代の男性陣には非常に身に覚え

の在る様な内容で、眼前に拡がるのは何とも

既視感の有る光景ばかりでした。私的に得に

手痛かったのが、授業前に一杯引っかけて

勢い付けて教鞭に立つ姿です。

 

もう時効なんで白状しますが、私も大学で

幾つかの講座を受け持っていた際、どうも

気分が上がらない時はウィスキー一杯飲んで

教壇に立っていました。一杯なんで映画の

中の推論値に近いんだと思いますが、やはり

気分は軽く高揚し大勢の若者の勢いに蹴落

とされる事なく、かなり流暢に授業をこなした

覚えがあります。もう退職したので昔話では

ありますが、そんな時もありました(爆)

 

映画は酒呑みの話が主題かというと、そうでも

無くて中年男性やその家族に纏わるリアルな

悲喜こもごもが核となり、デンマークの酒文化

がそれに華を添えているような気配です。

映画内の高校生が飲酒してますが、デンマーク

の法律では16歳以上から飲酒可能なので

これは地域差という事で見過ごしましょう(笑)

 

大きな感動を伴う描写は正直余り多くは

ありませんが、ジーン・・・と効いてくる様な

刹那的な大人の感情の起伏の上下が

要所要所にあって、これを拾って行くと

いった感じですかね。

 

まぁ良い映画かな?中高年層にはちょいと

堪える場面(夫婦関係?)も多いですが、

一番理解を貰える鑑賞年齢帯でしょう。