The Dawn Wall/ドーンウォール | Sound@Cinema

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以前”フリー・ソロ”という命綱無しでエルキャピタンを

登ったクライマーの映画をレビューした事があったけど、

この”ドーン・ウォール”って作品は更に登攀の難易度

が高いというか、未踏破のルートを開拓しフリー化した

プロクライマーのドキュメンタリーです。


 

 

成し遂げたのはこの二人。

 

左から、トミーにケヴェィン。トミーはかなり有名な

クライマーで映画フリーソロにもアレックスの命綱

無しで行けるルート開拓などの協力で登場してた

人でした。

 

そのトミーがまだ”ドーン・ウォール”と言うルートを

開拓し、それがどうも最難関らしく、準備期間数年

を掛けた後に19日間掛けて登攀する過程を追った

ドキュメンタリー映画です。

 

 

 

 

これがmacosの壁紙で有名なエル・キャピタン、

約900mの崖です。

 

この南壁のほぼ垂直でしか無い様な箇所が

”ドーン・ウォール”だそうです。

 

 

 

 

しかもトミーは大工仕事の事故で左手の人差し指を

喪失しており、それを乗り越える模様も作品に収まって

いました。

 

映画は、トミーの半生も同時に紹介しています。

両親との関りや、テロリストに拉致された厳しい

体験、その後の結婚~離婚等人生において

苦しい部分も紹介され、それらを乗り越える

度により厳しい崖登りに傾倒していった状況も

描かれていました。

 

彼の経験が作品に一層の深味を与えています。

 

しかし、と言うか、なんと言うか・・・

普通の無能なおじさんには

 

「何故、登るの?」

 

という疑問しか湧いてきません。

 

やっぱり凡人なんだと思います(涙)

 

それでも、この偉業は大きな感動を覚えます。

人の限界を超えつつも、パートナーを思いやり

”待つ”という最大の人間を寛容を示します。

これは現代人に一番欠けてしまった部分じゃ

無いでしょうかね?

 

自身も”せっかち”の塊の様な人間なので、

人知を超えた崖登り以前に、目標を持った

人間がどんなに時間を費やしても成し遂げる

という、本質的な強さを見せつけられました。

 

これは学びの多い1本です。

 

是非ご覧下さい。大分価値観が変わります。

 

映画”フリー・ソロ”は独りで成し遂げる話ですが

”ドーン・ウォール”は協力者無くしては、無理と

言う部分で、優しさが最大の武器になる過程が

描かれています。