卒業製作学内発表会パート1 | Sound@Cinema

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))) Cinema Sound Works シャチョーの日々 (((
映画の音響技術評価などをプロ目線で、車系もたまにw
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午前9時20分から、大教室にて卒製の発表会。


観た後で、スタッフ全員スクリーンの前に立たせて挨拶、

そして質疑応答に入るという過酷なスタイルである。

良かった作品は至福の瞬間だが、内容不十分だと

ケチョンケチョンに叩かれるという恐ろしい発表会である。


以下に作品の私評と録音評




1.若林班「Sunday」


日曜日1日の出来事を、とある集合住宅を取り巻いた人々の

群像劇で描いた作品。

判りやすく良く出来た作品ではあるが、なにせ金が無いので

描くに描き切れていない。

そこそこのキャストを与えてやり、最後のシーンでCGでも

使わせて貰えれば立派な映画になるのだが、悲しいかな無理があった。

大方の講師陣からも「やりたい事は良く判るんだけど、、、」と、

同情にも近い感想が集まった。

16mm光学リレコの音もしっかり出ており、録音部の頑張りは

評価出来るが、当たり前に聞こえると言うことで着目に価しなかった。

学生レベルの録音としては、大変な功績だと思われる。




2.田中班「青に咲いた日」


仲良し三人組みの一人が自殺した事をきっかけに

過去、現在の時間軸を飛び交い何だが混濁していく作品。

残念ながら話が判らない。事象事象の美しさはあるが、

収拾がつかなく、何が言いたいのか伝わらなかった。

唯一のビデオ作品で、音はステレオ化したが

作品の評価が低調だった為に、一緒になって轟沈。

まぁこんなもんであろう。

作品同様、困惑がミックスに見え隠れした結果、

何も表現出来ずに一本調子で終わった。

台詞は良く捕らえていたが、”表現”出来なければただ煩いだけである。


残念、、、




3.山梶班「保健」


学校に通学しているにも関わらず、保健室で過ごす少年の周りで

現代的な奇妙な事件が起きる話。

リアリズムに満ち溢れ、絶賛を浴びた。

おそらく、現状の”今”のみ撮れる稀有な映画。

二度と製作不可能と思われる程、”今”である。

初見のラッシュでは、全員”生きていない死体”かと思われた程

冷たいタッチである。それをリアルな高校生がまんま演じているから

この迫力は凄いものがある。

たまに、こういうのが出てくるからおっかない。

音は16mmの光学トラックであったが、同録の粗も

この作品の粗野なタッチにマッチしてしまい、平坦な

音響構成ながら十分に聞けてしまう。

台詞には緻密にマスキングを掛け、静穏化に貢献したのが

結果良い方向に転んだ。

ダビング時との差は小さく、再現性は高いものがあった。



本日は、以上3本プラス、ジャーナルゼミのドキュメンタリーもあったが

後者(ドキュメンタリー)のコメントは携わっていないので控えておく。