ミュージカル映画の名作「ウエストサイド物語」(1961年)をスピルバーグ監督がリメイク。脚本はトニー・クシュナー。
舞台は1950年代末のアメリカNYのマンハッタン。ジェッツという白人系のグループとシャークスというプエルトリコ系のグループが対立していた。あるダンスパーティー―でジェッツの元リーダーのトニー(アンセル・エルゴート)はマリア(レイチェル・ゼグラー)という女性と出会い、二人は一瞬で恋に落ちる。が、マリアはシャークスのリーダーであるベルナルド(デヴィッド・アルヴァレス)の妹であったことから、両グループの対立は激化していくこととなった・・
僕はミュージカル映画が大好き。あの不朽の名作「ウエストサイド物語」を60年ぶりにスピルバーグがどうリメイクするか?については大いに興味を持っていた。結論から言うと、評判通りの素晴らしさであった。オリジナルを超えたとは言わないが、それと並び称される作品であることは間違いない。
オリジナル版はトニーとマリアの主役の2人がいまいちパッとせず、ベルナルド(ジョージ・チャキリス)とアニータ(リタ・モレノ)の二人に完全に喰われた形になったが、本作はその反省からか、トニーとマリアの魅力度をUPすることに成功している。二人がダンスパーティーでお互い一目惚れするシーンがいい!
話はシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」を下敷きにしている。叶わぬ恋である。
主役のマリアを演じるのは新進女優のレイチェル・ゼグラー。黒髪が魅力的。「白雪姫」の白雪姫役も決まっているそうだからこれからが楽しみな女優である。
ちなみにリタ・モレノがヴァレンティナ役で出演している。90歳だそうだが元気そうだ。
「マンボ」「アメリカ」「マリア」「トゥナイト」といった名曲の数々はもちろん本作でも健在。
歌とダンスのシーンは画面構成もカメラワークもサウンドも色彩も非の打ちどころのない完成度である。スピルバーグ監督の「ウエストサイド物語」に対する愛がストレートに伝わってきた。