ドライブ・マイ・カー Drive My Car 2021年 日本 179分 ★★★★ | 新作映画の評価 どれを観ようか? ネタバレなし

新作映画の評価 どれを観ようか? ネタバレなし

映画が大好き。都内千代田区在住です。

評価は5段階で
★★★★★ 最高! 面白い! もう1回見たい!
★★★★  オススメ 見ておくべき1本です
★★★   普通かな? 見て損はない
★★    うーん、ちょっと微妙かな?
★     つまらん


原作は村上春樹の短編小説。監督は濱口 竜介

海外で大好評を得ており、カンヌ映画祭の脚本賞等を受賞。さらに日本映画として初めてアカデミー作品賞にノミネートされている。

 

家福悠介(西島秀俊)は成功した俳優兼演出家。妻の音(霧島れいか脚本家。 二人の共同作業でいい仕事が出来ていた。が、ある日、音がくも膜下出血で急死。2年後、家福は広島で行われる国際演劇祭へ招聘を受けた。広島に長期滞在して演出をつとめ、各国からオーディションで選ばれた俳優が、それぞれの役を自国語で演じながら『ワーニャ伯父さん』を上演することになっていた。契約上の理由で家福は愛車のサーブ900を運転することが出来ず、渡利みさき三浦透子)が専属ドライバーとなったのだが・・

 

179分という長尺である。まず音が急死するまでのパートがとても良かった。冒頭部から引き込まれる展開である。広島に舞台が移ってからは、多言語が交錯して斬新な感覚。その言語は手話も含んでいるのだ。作品の性質上、劇中劇のシーンが多いのだが、その稽古のシーンはさらに多い。その稽古シーンがまたいいのだ。

 

もう一つの主役である家福の愛車サーブ900。サーブ900にもいろいろバリエーションがあるのだが、劇中のは900ターボの2ドアで赤というタイプ。サーブはバブル時代の日本ではなかなか人気があり、よく見かけたものだが、今はサーブという会社もブランドも消えてしまっている。原作では黄色のコンバーチブル(オープン)だったようだ。

 

オーディションに応募してきた若手俳優の高槻岡田将生)という男。彼がキーパーソンなのだが、みさきが運転するサーブのリアシートに座った高槻と家福の対峙がわくわくドキドキする。

 

そしてショッキングなことが起き、家福は気持ちを落ち着かせるために、みさきの故郷である北海道の寒村を目指す。ここでロードムービー的な展開になるのかと思いきや、そんなことは無かった。

 

すごく感動した!ということはないのだが、確かに批評家好みの作品ではある。海外で受けるのもわかるような気がした。

チェーホフの戯曲『ワーニャ伯父さん』を観てみたくなる。