リドリー・スコット監督作品。実話に基づいたストーリー。
1978年のイタリア。とあるパーティーでパトリツィア・レッジアーニ(レディー・ガガ)はグッチの御曹司マウリツィオ・グッチ(アダム・ドライバー)と出会う。二人は恋に落ちる。彼女の家が運送業を営んでいることなどについてグッチ家の当主でマウリツィオの父親のロドルフォ(ジェレミー・アイアンズ)には反対されるが、二人は結婚する。子供も生まれ幸せな日々が続くが、パトリツィアはグッチ家の内紛を利用して経営権を握ろうと画策。やがてマウリツィオとの関係が悪化し、夫婦間の対立は悲劇へと繋がっていく・・
とても楽しめた。主演の二人はもとより、アル・パチーノやジャレッド・レトらの演技も見応えがあった。正直、脚本はイマイチで、話が上手く流れていない部分がいくつかあったが、157分の長尺飽きることなく最後まで堪能できた。
リドリー・スコットらしく映像美も手を抜いておらず、ファッション、小物、クルマ等の美術はとても良い。もちろんファッションショーのシーンも良く出来ている。カーマニア的な視点では、フィアットスパイダー、ポルシェ911、同924、ベントレー、マセラッティカムシン、そしてランボルギーニカウンタックなどの魅力的な車種が登場するので尚更楽しめる。
また物語は1980年代という日本経済が一番元気だった時代のため、「日本人は上客だ」とか「富士山のふもとの御殿場のモールに出店する」とかのセリフもあって、まさに時代を感じさせる。
レディ・ガガはイタリア系なのでイタリア女が様になっている。
パトリツィアにはピーナ(サルマ・ハエック)というお気に入りの占い師がいて、事あるごとに彼女に相談する。それが最後の悲劇に繋がっていくのだが、タロットカードを用いて鑑定するシーンもあって、大アルカナの「星」のカードを示して、パトリツィアを動かすシーンなど興味深かった。
音楽はクラシックからポップスまで馴染みのある楽曲を散りばめており、親しみが感じられた。