燃えよ剣 2021年 日本 148分 ★★★ | 新作映画の評価 どれを観ようか? ネタバレなし

新作映画の評価 どれを観ようか? ネタバレなし

映画が大好き。都内千代田区在住です。

評価は5段階で
★★★★★ 最高! 面白い! もう1回見たい!
★★★★  オススメ 見ておくべき1本です
★★★   普通かな? 見て損はない
★★    うーん、ちょっと微妙かな?
★     つまらん

司馬遼太郎の小説を原作とする幕末歴史もの。
主演:岡田准一 監督:原田眞人。この組み合わせは「関ケ原」と同じである。

時は幕末。天皇中心の新政権樹立を目標とする討幕派と幕府の権力回復と外国から日本を守ることを掲げた佐幕派の対立が表面化する。そんな中、武士になる夢をかなえようと、近藤勇(鈴木亮平)や沖田総司(山田涼介)らと京都に向かった土方歳三(岡田准一)は、徳川幕府の後ろ盾を得て芹沢鴨(伊藤英明)を局長にした新選組を結成する。

なかなかの力作であった。148分と長めの尺で、序盤はもたもたした感じだったが、だんだん面白くなってくる。登場人物は多く、関係も複雑なので、やはり幕末の歴史にある程度の知識が無いとすんなりと話に入っていけない。
土方歳三は百姓の出とは言うものの、実は富裕な豪農であった。京都へ行くのにいい刀が必要だからと実家から100両出させるほどだ。その100両をもって刀(和泉守兼定)を購入しようとするが古道具屋(柄本明)に5両でいいと言われる。錆びていたので研ぐためにある程度は払ったろうが残金はそのままポケットに入れたはずで、京都滞在中の歳三の懐はさぞかし暖かったことだろう。
剣戟シーンは良く出来ている。リアリティが追求されていて、刀同士がぶつかると火花が飛ぶ演出がされている。切腹をはじめとする流血シーンも多い。残酷に感じる向きも多いことだろう。幕末の剣術モノという点では「るろうに剣心」シリーズがあるので、バトルシーンはやはり「るろうに~」を意識していることは間違いない。
ロマンスパートも用意されていて、歳三はお雪(柴咲コウ)という女性と恋仲になる。ただ柴咲コウがややミスキャストに思えてしまった。もっと若くていい女優がたくさんいるのに。
全体に金が掛かっていて、鳥羽伏見の戦いや函館戦争なども迫力のあるシーンを堪能できる。主演の岡田准一は安心してみていられる感じ。新選組組長の近藤勇を演じる鈴木亮平も、沖田総司を演じる山田涼介も悪くない。
本作最大の見せ場は池田屋事件であろう。ここにも金と手間がたっぷりと掛けられていて見応えがあった。