シャン・チー/テン・リングスの伝説 2021年 アメリカ 132分 ★★★★ | 新作映画の評価 どれを観ようか? ネタバレなし

新作映画の評価 どれを観ようか? ネタバレなし

映画が大好き。都内千代田区在住です。

評価は5段階で
★★★★★ 最高! 面白い! もう1回見たい!
★★★★  オススメ 見ておくべき1本です
★★★   普通かな? 見て損はない
★★    うーん、ちょっと微妙かな?
★     つまらん



原題: Shang-Chi and the Legend of the Ten Ringsマーベルのスーパーヒーロー映画シリーズ MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の第25作目。監督は、デスティン・ダニエル・クレットン。

舞台はサンフランシスコ。ショーンことシャン・チー(シム・リウ)はホテルの駐車場係。同僚のケイティ(オークワフィナ)とはプライベートでも仲良しだ。シャン・チーの元に疎遠の妹のシャーリン(メンガー・チャン)からハガキが届く。彼女はマカオにいるらしいのだ。ある日、通勤中のバスの中でシャン・チーとケイティは右手に剣を仕込んだ男が率いる集団に襲われる。驚異的な格闘能力で彼らを撃退したシャン・チーだったが、母の形見のペンダントを奪われてしまう。シャン・チーの父は「テンリングス」という不老不死&無敵のパワーを誇るアイテムのお陰で王国を築いていた。今から30年ほど前に、秘境である女性と出会い、彼女との間に産まれたのがシャン・チーとシャーリンであった。シャン・チーは幼いころから父に暗殺者として鍛えられていたのだ。そして今回の一連の出来事は父の仕業だと確信したシャン・チーはケイティと共にマカオに向かうのだが・・

シャン・チーを演じるシム・リウは中国系カナダ人。これまで映画出演の経験がほとんど無いのにいきなりMUC作品の主役だからものすごい抜擢だ。主役のシャン・チーも相手役のケイティも美男美女とはほど遠く、その辺に普通にいそうなレベルのルックスなのだが、これが成功している。ヒーロー物に美男美女の取り合え合わせはいささか食傷気味だったということもあるが、ルックスが普通ということで妙なリアリティもある。

序盤のバスの中でのバトルが本作最大の見せ場かもしれない。見応えのある素晴らしいものだ。キアヌ・リーヴスの「スピード」へのオマージュも感じられた。そして舞台はマカオへ。ここで妹のシャーリンに再開する。ここでも父の差し向けた集団に襲われる。そして遂に父のウェンウー(トニー・レオン)に再開する。

この辺りまではとても面白かった。★5つ進呈してもいいくらい。この後、一行は奥地の秘境にある亡き母の故郷に向かう。残念ながらそこから面白さがやや薄れてしまうのだ。この秘境の村でシャン・チーは伯母のイン・ナンに会う。演じるのはミシェール・ヨー。久々に見たけど、歳取ったな。クライマックスは巨大なモンスターが出てきたりで、派手にやっている。

本作は各国で興行的に大ヒットとなっている。そして批評家の評判もかなり良いものとなっている。東洋人の主人公でもMCUが立派に成立したと点では、かなりエポックメイキングな作品ではある。

本作を観ていると、「中国に迎合した映画はどうも・・」などという感想がもはや時代遅れで的外れということがわかるだろう。そして本作が最大市場の中国でどのような評価と興行成績を収めるか、とても興味深い。中国での公開はまだ先なのだ。恐らくは驚異的なヒットとなるはず。

他のマーベル作品とのクロスオーバーという点では、「ドクター ストレンジ」「インクレディブル ハルク」などであるが、今後はシャン・チー(とケイティ)もMCUの一員となっていくのだろうか?少なくとも続編はありそうだ。