【トップガン マーヴェリック】 | シネフィル倶楽部

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洋邦ジャンル問わず最新作から過去の名作まで色んな作品ついて、ライトな感想や様々な解釈・評論を掲載orつらつらと私「どい」こと井戸陽介の感想を書く場にしたいと思います!観ようと思ってる作品、観たい過去の作品を探す時とかの参考書みたいに活用してもらえればと♪

NEWオススメ最新作(※ネタバレあり)

 

「あーー!映画観たーーーー!!」

 

と感じさせてくれる、この高揚感と爽快感

 

IMAXの大画面と大音響で、トップガン・アンセムのイントロがかかった時、なんだかとってもミゾミゾしました。いや、ワクワクしました。

 

大スクリーンの醍醐味を味わわせてくれる快作であり、トム・クルーズの映画館で映画を観ることへの情熱を感じる一作です!

 

『TOPGUN:MAVERICK』

[邦題:トップガン マーヴェリック]

(2022)

 

公開初日に観ていながら記事アップが今頃になってしまいました。

 

もはや世界興行収入でもTOP10が視野に見えてきた、北米では『タイタニック』超え、日本でも100億円が見えてきて近年の洋画の中でダントツ1位の成績を出している今では、オススメ記事も何もあったものではありませんが(笑)

 

と、1,2ヶ月前に記事の下書きを書いていたら、つい先日本当に100億円を突破したそう!!!!すごい!!!!

 

 

本作、公開から半月ちょっと経過した段階で、

 

・トム・クルーズ出演作No. 1の興行

・日本の劇場でも満席続出

・満足度もハイスコア

 

というお祭り状態を記録していましたね。

 

そして本国では2週目の興行が初週対比で約68%の下落率(※)に留まるなど、脅威の成績を叩き出しています。

※通常は20〜40%ほどになってしまうことが多い

 

 

冒頭に書いた「映画を観た!感」を、もう少し分解すると、それはつまりドン・シンプソンとジェリー・ブラッカイマーの映画を観た!!ということに他なりません

 

90年代といえば彼ら名プロデューサー率いるプロダクションの時代と言っても過言ではありません。

 

彼らの得意な味付けといえば軍人、青春、アクション、ヒロインとヒーローの恋模様、熱い友情、ジマー節の音楽などでしょうか。

 

皆一度は観たことある

プロダクションのロゴ

 

今回もそのあたりの要素がふんだんに盛り込まれており、往年のメジャー作と同じ観了感を得ることができます。

 

しかしながら、ただノスタルジーを感じられる作品です!で終わらせないのがトム作品。

 

トップガン好きのためのファンサ精神×現代へのアップデート×プラスα、これらのバランスがとても良い作品に仕上がっていました。

 

 

もうね、冒頭がいいんスよ。

 

夕焼けをバックに母艦から離着陸する戦闘機を格好良く映し出す演出は、1作目と全く同じ!これはもう「安心してください。あの世界をもう一度お見せしますよ」と言わんばかり。

 

観客へ向けた「トップガンが帰ってきたぞ!」というメッセージと1作目を監督した故トニー・スコットへのリスペクトですね。

 

メロディから「これから面白い映画が始まりますよ」って言葉が言葉が聴こえてきそうな程作品とマッチしてる「Topgun Anthem」からの「Danger Zone」ね。

 

 

 

テンション上がりますよ、そりゃ。

 

そこから一気呵成とばかりに、トムが白Tシャツ姿で現れたかと思いきや、サングラスかけてフライトジャケット羽織って、KAWASAKIバイクで疾走しちゃうもんだから、観客はノスタルジック定食の大盛り食べた気分に(笑)

 

でも小出し小出しでやられるより、冒頭で一気にやってくれる方が潔くて気持ちがいい!とても効果的な演出で映画への好感度上がりました♪

 

 

そしてその後よ、その後。

 

いきなりエド・ハリスを出しちゃうんだもの。

 

80〜90年代の映画にどっぷり浸かってきた人間はもうキュンキュンですよ。

 

彼が軍人演じてたらそれはもう90年代ですわ。

古い刑務所にこれから立て篭りに行ったりしないよね?とかニヤニヤしながらカラみたくなっちゃいました。

 

 

そのエド・ハリス演じる将校の命令に反して危険な飛行性能試験に臨むのが冒頭のシークエンス。

 

ってか、おめぇさんまだ現場だったんかいっ!」なんてツッコミはどこ吹く風とばかりに、相変わらず規律や命令を無視しながらも観客にアツい背中を見せてくれるマーヴェリック。

 

 

夕焼けバックに戦闘機とバイクで並走するだけで画になる男は、トム・クルーズ演じるマーヴェリック以外なかなかいなさそうです♪

 

 

前置きが長くなりましたが、ここからそんな本作のあらすじから簡単にご紹介していきます!

 

「Highway〜♪To The〜♪IMAX〜♪」

 

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■『トップガン マーヴェリック』あらすじ

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アメリカのエリート・パイロットチーム”トップガン”。

かつてない世界の危機を回避する、絶対不可能な【極秘ミッション】に直面していた。 


ミッション達成のため、チームに加わったのは、 トップガン史上最高のパイロットでありながら、 常識破りな性格で組織から追いやられた ”マーヴェリック”(トム・クルーズ)だった。 


なぜ彼は、新世代トップガンとともにこのミッションに命を懸けるのか? 


タイムリミットは、すぐそこに迫っていた——。

 

 

(映画『トップガン マーヴェリック』公式サイトより)

 

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■全体評

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ちなみに私、1作目は特に思い入れはありません。

 

映画ファンとして抑えておくべき一作、くらいの気持ちでリバイバル上映で映画館で観てはおりますが、やはり今観ると古さの方が目立ってしまい、当時の熱狂と同じ熱量を感じられているかでいうと決してそんなことはなく。

 

さらに言うなら、戦闘機ものの映画があまり好きではありませんでした

 

 

この題材ってカット割りなどのスピード感やテンポが速いことが大事だとは思うんですが、それ故に顔が見えにくく機の判別がしにくいなどで観客が置いていかれることもあるので、いまひとつ気持ちがノれないといいますか。。。

 

でも今作は技術の進歩や現代劇としての演出のため、とってもクリアで観やすく理解しやすいカット割や演出がされていましたね。

 

撮影技術が進歩しているので、引きの絵で観客が理解しやすい構図のショットを撮ることが可能だったり、画質や音声がクリアなので判別しやすいことetc.

 

 

 

シンプルで強い物語をそんな画力で引っ張っているので、後半の荒唐無稽さが絶妙に90年代を醸す後半の展開がありつつも、それを観客が欲しがってしまうような上手なストーリーテリングになっています。

 

このあたりは監督のジョセフ・コシンスキーによる手腕が大きいかもしれません。

 

監督とトム・クルーズは『オブリビオン』に次いで2作目のタッグですね。

 

ジョセフ・コシンスキー監督

 

そしてやはり戦闘機シーンがほぼ実写で俳優全員が実機に搭乗して撮影している凄さなど、もはや狂気の沙汰に近いレベルの拘りが生んだ迫力は本作の屋台骨となっています。

 

映画全体の説得力や没入感は本作の魅力ポイントですよねー。

 

最初に予告が公開された時、スマホの画面ですら圧倒されたというかその凄さに唖然としてしまいました(笑)

 

♪♪特別動画:メイキング

 

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■キャスト

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キャストもアツいです!

 

■マイルズ・テラー / ルースター

 

グースの息子がまた鶏にちなんだルースターってコールサインがニクいですねぇ。

 

自分の中ではとにかく『セッション』の人!という印象でしたが、本作を通して『セッション』と『トップガン』の人!にアップデートされました♪

 

■ジョン・パウエル / ハングマン

 

こういう役回りの人、ニクめないです(笑)

彼はもともとルースター役でオーディションを受けていて、この役をオファーされたそう。めっちゃハマってましたね〜♪

 

個人的には、この映画を観た後に『ダークナイト ライジング』の証券取引所のシーンを観るとちょっと面白いなぁと思う次第(笑) その一連のシーンに出演してるので、映画ファンの方はぜひご覧ください♪

 

■モニカ・バルバロ / フェニックス

 

格好いい方ですよね!

相方のボブともいいコンビネーションを発揮しており、チームの中でも一番まともで安定してる人物なので観客が安心して観てられる方です。

 

友達になるならフェニックス希望で(笑)

 

 

ちなみに、1作目公開時は女性パイロットはいなかったそうですが、時代の流れとともに増えてきているそうで。

 

実はオープニングのトップガンとは何ぞやを紹介するテロップがオリジナルから続編に継承されるにあたって、1箇所だけ変わっています。

 

パイロットの形容の仕方について「men and women」という表現が加わっているのです。

時代が変わって女性パイロットも出てきており、その実態をきちんと反映させたとのこと(監督談)

 

この映画が信頼できるなぁと思った理由のひとつです。

 

面白いのが、新キャストの若手たちが訓練する中で唯一吐かなかったのがフェニックス役のバルバラさん♪

 

 

ちなみにフェニックスの相方のボブを演じた俳優さん、ルイス・プルマンというかた。

 

 

なーーーんか既視感あるなぁと思ったら、まさかの二世俳優で親はあのビル・プルマン

 

 

…クリソツやんけ!!笑

 

■ジェニファー・コネリー / ペニー

 

とっても綺麗な女優さんですよねー。

なんだろう、世にいう美魔女感?

 

個人的にとっても好きな作品である『ブラッドダイヤモンド』というレオ様主演映画に出ており、目だけで意志の強さを語れる女優さんという印象。

 

彼女が今回演じるペニーというキャラクターが、1作目の中で姿は登場しないまでも存在を言及されていたといから凄い。

取ってつけたキャラクターじゃないのがすごく好感が持てます。

 

 

■ソロモン・“ウォーロック”・ベイツ海軍少将

 

個人的には要所要所でリアクションが可愛くて好きなキャラクターです(笑)

 

マーヴェリックが無茶をやって上に逆らった時に小さくガッツポーズしたり、上官との間に立ってさりげなくマーヴェリックをいなしたり、地味に活躍してるのが彼なのです^^

 

ウォーロックのような脇も含め、素晴らしいキャスティングになっているのも本作が成功を収めた理由の一つでしょう♪

 

 

それにしてもトムの若さたるや(笑)

 

アイスマンを演じたヴァル・キルマーと並ぶと、もはや怖さを感じるレベル!

全身から溢れる雰囲気が圧倒的に若い(笑)

 

 

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■映画人トム・クルーズP

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本作の功績の一つに、トム・クルーズが映画人として、そしてプロデューサーとしてめっちゃアツいということを世間に再認識させてくれたことも挙げられます。

 

今作は本来であれば2年前に公開される予定の作品でした。

 

コロナ禍で劇場や興行が沈静化した状態で公開せざるを得なかった作品や、配信に切り替えたり劇場と配信同時公開に舵を切る作品も多い中、本作は公開延期を繰り返すことなんと5度!

 

投資した作品の回収を2年も待たせるなんて…なかなかです。

 

 

そしてその行動を支えているのが「大スクリーンのために映画を作る」という熱い信念。

 

個人的には本作の核はすべて実写に拘ったポイント以上に、それを実現するに至った「映画そのものや映画館、そして映画館での映画体験への愛」な気がしてます。

 

トムが名プロデューサーたる所以はそういう信念を持った上で、企画の良し悪しを見抜く力、人を巻き込む力があるところなのかもしれません。

 

そうでなければこういう作品は生まれませんよね(^^)

 

 

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■音楽について

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音楽面ではハンス・ジマー師匠が関わりつつ弟子のロアン・バルフェが担当してるのもアツいですね。

 

バルフェさんは『ミッション:インポッシブル - フォールアウト』でお初の方だったんですが、これまでの6作品の中でもフォールアウトが2番目に好きになった程、個人的には相性よさげ。

 

大作に相応しい盛り上げが上手と言いますか、そういうサウンドメイクが上手な方だなぁと。

 

 

今回の映画自体が興行・批評・キャスト・製作の舞台裏など様々な観点で注目を集めており、音楽も同様に話題になっていますがいずれも『トップガン・アンセム』や『デンジャーゾーン』について、もしくはレディー・ガガの主題歌についてが多いです。

 

そんな中でもバルフェ氏が手がけた「Darkstar」などは自然と観客の気持ちを盛り上げてくれる楽曲になっており大好きなタイプのスコアです。

 

♪♪Darkstar

 

引き続き来年の話題作『ミッション:インポッシブル - デッドレコニング Part1』の音楽も担当されるとのことで引き続き今後の活躍を楽しみにしてます!

 

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■あとがき

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最後のルースターとハングマンの握手、そしてルースターが云う最後の台詞がねぇ、グッと来るんです。

 

そんなアツいシーンや爽やかなシーン、ユーモアもあり、何よりド級のアクションが堪能できる『トップガン マーヴェリック』。

とっても満足して映画館を後にできる作品です。

 

 

最近テレビで『未来への10カウント』というキムタク主演のドラマがありましたが、歳を取っていながら今もスターである男が主演の作品ということで、なんだか共通項を見出しておりました。

 

そんな男が主演の映画はアツくて良い作品が多いです。

 

ちなみに本作を観るのにはIMAX一択ですよ、皆さん( ̄▽ ̄)

 

 

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■予告編

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♪♪予告