【ハケンアニメ!】 | シネフィル倶楽部

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洋邦ジャンル問わず最新作から過去の名作まで色んな作品ついて、ライトな感想や様々な解釈・評論を掲載orつらつらと私「どい」こと井戸陽介の感想を書く場にしたいと思います!観ようと思ってる作品、観たい過去の作品を探す時とかの参考書みたいに活用してもらえればと♪

NEWオススメ最新作(※ネタバレあり)

 

え、この作品もっともっとヒットしてもよくないですか?!?!って街中で大声で叫びたいくらい質がいい作品だと思いました。

 

スポ根ムービーを本歌取りしながら、モノづくりの舞台裏を描いた作品です。

 

最初『派遣アニメ』かと思って派遣スタッフのアニメーターが主人公の話かと勘違いしてましたが『覇権アニメ』でした(笑)

 

とーーーってもオススメ!

 

『ハケンアニメ!』

(2022)

 

結構公開して間もない頃に観てたんですが、忙しくてアップが遅くなってしまった事が悔やまれます…

 

本作に出演している前野朋哉がTwitterでこんな投稿をしてました。

 

 

自分が観た回はだいぶ人が入ってたんですが、全体的に興行的には苦戦したようで…。

 

応援のレビューを早々に上げたかったです。。。泣

 

…と、いうのを2ヶ月くらい前に思ってたら、なんとこっから脅威のロングランをしているそうで!

 

 

やはり観てる人はいる。

良いものがちゃんと伝わることは稀にだけど確実にある。

 

 

本作は、すごく丁寧な演出をしつつ娯楽作品としてのツボの押さえ方をしてます。

 

きちんと一つの登場人物の感情の流れを描ききっています。

 

且つ言葉に頼りきった説明過多になってないので玄人にも満足できる演出がされてます。

 

自信を持って周りの人に勧められる作品でした♪(^^)

 

 

それにしても…

 

会う人たちの中でいまだに「邦画はつまらないから観ないわー」って言ってる人がいるのにびっくりします。

 

それは先入観で映画を観てないだけの、映画ビギナーです宣言に近いと思ってます。

 

もちろん個人の好みがあるのは承知してますし、10〜20年前はたしかにそういう状況だったとも思いますが、特にコロナ禍以降、面白い作品は邦画に多いんじゃないかと思ってます。

 

本作はまさにその代表格。

 

パッケージで得られる印象以上にスポ根映画と同じ観了感が得られる作品です。

 

 

微力ながら&遅ればせながら、このブログでもオススメさせて頂きます!

 

「この面白さよ、伝われぇぇぇぇッ」

 

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■『ハケンアニメ!』あらすじ

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地方公務員からアニメ業界に飛び込んだ新人監督・斎藤瞳は、デビュー作で憧れの天才監督・王子千晴と業界の覇権をかけて争うことに。

 

 

王子は過去にメガヒット作品を生み出したものの、その過剰なほどのこだわりとわがままぶりが災いして降板が続いていた。

 

 

プロデューサーの有科香屋子は、そんな王子を8年ぶりに監督復帰させるため大勝負に出る。

 

 

一方、瞳はクセ者プロデューサーの行城理や個性的な仲間たちとともに、アニメ界の頂点を目指して奮闘するが……。

 

 

(映画comより)

 

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■全体評

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いやー、吉岡里帆がハマってるし演技上手いですねー。

 

やっぱり『カルテット』のああいう演技ができるだけあって、いろんな引き出し持ってるなぁと。

 

彼女が主演というのに全面的に寄りかかる作品だとうまくいかない事があるのかもしれませんが、今作は脇を固める人がアクが強かったり、どちらのアニメ製作チームにも時間を割いて同じ濃さでドラマを描いてるので、群青劇の側面が強いです。なので、いい意味で吉岡里帆が全面に出ていません。

 

でもその中でも物語的な主役は間違いなく彼女が演じる新人監督であり、そこの葛藤を吉岡が丁寧に描き出してるから、ちゃんと彼女の主演映画になってます。

 

 

あと、物語の芯というかメインとなる路線が「ふたつのアニメが視聴率やファンの熱を奪い合う闘い」という明確なものがあるので、安心してその中で描かれるアレコレに没頭できます。

 

ものづくりに関わってる人ならこんな経験してみたいなーという憧れみたいなものが詰まってました。

 

それは孤独なモノづくりからチームでのモノづくりに成っていく様なんですが、こうあったら良いなという理想を表現しており「現実にはね…」なんて斜に構えず、理想像として自分の中にそっととっておきたいものでした。

 

 

あと、本作の何が好きって、オチが好き!

 

それまでの積み上げがある分、主人公側の作品最後だけ視聴率逆転!というフィクショナブルな展開は起こらず。

 

でもソフトの予約・売上ランキングや、確実に監督が届けたい人に届いた希望に溢れるシーンを挟むことで、嘘くさくない爽やかさを手に劇場を後にすることができます

 

 

できたシーンのラッシュをやるから集まるというシーンが劇中何度かありますが、序盤ではそのシーンで監督は後ろの方を歩いており、クライマックス近くでは皆の先頭を歩いてる。

 

分かりやすいメタファーではありつつ、観てる方はテンション上がるわけです♪

 

 

それにしても坂本佑はなんというか…幅広い!広すぎて怖い!

 

3枚目も普通のモブキャラもイケメンもトガった役もサイコパスっぽい役もどれもハマってしまう。

 

今回は仕事のツンデレ具合がすごいプロデューサー役でしたね。あんなんやられたら同性でもディレクターは惚れてまうやろ。

 

 

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■あとがき

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本作は、アニメ版『映像研には手を出すな!』と描いてるテーマや内容が近い作品かもしれません。

 

あれが好きならこっちも好きなはず。

 

是非まだ劇場でやっているなら劇場で!

 

ソフト化や配信が始まったらさらに多くの人に観て頂きたい作品です!

 

 

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■予告編

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