№21
日付:2024/5/22
タイトル:青春18×2 君へと続く道 
監督・共同脚本:藤井道人
劇場名:シネプレックス平塚 screen5
パンフレット:あり(\850)
評価:5.5

 

18年前、18歳のジミーが出会った日本人旅行客の女性。彼女との約束を胸に思い出を振り返りながら、今度は彼自身が旅人となって日本を旅する物語。

 

既視感のある恋バナを、日台友好青春恋愛ロードムービーとして仕上げる藤井監督の手腕。一つ一つのディテールを大切にする事で、新鮮味のない出会いと別れのシチュエーションに彩りが加わる。

私的には、ランタンあたりで心動いた。「塔の上のラプンツェル」以来の憧れも相まって、青春と恋愛の小道具としてグッときちゃいます。

 

予定調和を迎える中で上手に涙腺を崩壊させてくれますが、最後の最後、エンディングで流れるミスチルの書き下ろしテーマ曲がもうヤバイです。その歌詞が、今目の当たりにしたジミーとアミが過ごした人生の中のほんの一瞬の、甘く切ない青春の1ページとシンクロして、危うく嗚咽が漏れるところでした。

 

宇宙でいちばんあかるい屋根」「ヤクザと家族 The Family」と記憶に残る作品を立て続けに残してくれた藤井道人監督ですが、その後の「余命」とか今回の「青春」とか、そのタイトルだけでどんな話か想像ついてしまうテーマに敢えて挑んだ作品は、徐々にこちらも劇場に足を運ぶのが億劫気味になったりもしていました。

本作は藤井監督自身にとってもある意味自分探しの作品だったのかもしれません。それでも商業映画の王道としての体は崩さない。そこに満足感と物足りなさの両方が存在してしまいます。

「尊敬しても崇拝はしない。自分の世界を伝えるのが監督の武器だから」とサラッと言ってのける監督が、オリジナル脚本も書ける映画監督としてその本領を発揮するような次回作を期待しちゃいます。

 

 

 

 

 

 

パンフレット

・イントロダクション

・ストーリー

・キャスト

・スタッフ

・プロダクション・ノート

・劇中画

・特別対談 藤井道人×チャン・チェン

・ロケーション・マップ

・独占鼎談 シュー・グァンハン×清原果耶×藤井道人

・キャスト・コメント

・テーマソング

・クレジット

チラシ①

チラシ②

入場者特典のポストカード