映画の記憶・・・と記録-TANGLED

 

№6

日付:2011/3/13

タイトル:塔の上のラプンツェル | TANGLED

監督:Nathan Greno, Byron Howard  制作総指揮:John Lasseter, Glen Keane

劇場:シネプレックス平塚 シネマ7

パンフレット:あり(\600)

評価:★★★★☆

 

3D、日本語吹替版で鑑賞。

ディズニー・プリンセス史上、最もおめめが大きい主人公が実にキュートで可愛らしい。デジタル技術によるキャラクターの感情表現をずっと嫌っていた私ですが、今や漫画の世界ですら原画がパソコンの中にしかない時代。何かを犠牲にした上でのデジタル技術という訳ではもはやなさそうです。

 

版を重ねるごとに暗部を綺麗に拭い去っていくグリム童話の最終版を映像化してきたこれまでの作品と違って、こちらは更に推敲を重ね、童話やお伽話の世界を舞台にした素敵な恋物語に昇華させてくれています。だから大人も子供も楽しめる。そしてそれはディズニー・アニメの世界というよりも、ピクサーの世界観。

 

そう、この作品はジョン・ラセター(制作総指揮)やダン・フォーゲルマン(脚本)が支配しているに違いない。オーソドックスな展開を魅力溢れるキャラクター達の軽妙な掛け合いで盛り上げるその術もまさにピクサー流。

ディズニーお得意のプリンセス物にピクサーのオマージュ溢れるアレンジが加わった事で、素敵な作品に仕上がりました。前作「プリンセスと魔法のキス」は未見ですが、こちらも観てみたくなりました。

 

ラブロマンスの名作につきものの素敵な名場面。例えば「プリティ・ウーマン」なら、“レディ”に変身したビビアン(ジュリア・ロバーツ)がヘリでオペラ鑑賞に向かうシーン。ローレン・ウッドの"Fallen"の調べと共に心に残るシーンです。

 

そんな素敵なシーンがこの作品にも登場します。「美女と野獣」の二人きりの舞踏会にも負けない、それはそれは素敵なシーンが。そしてその場面で、3Dがこれ以上ないくらい効果的に使われています。

 

3Dメガネを掛けての鑑賞は、相変わらずスクリーンが暗くせっかくの色調を台無しにしていますが、そんなアンチ3Dの私でも、今回だけは3D版での鑑賞を絶対にお勧めします。

 

 

ディズニー・アニメーション・スタジオ長編アニメの記念すべき50作目(これには「クリスマス・キャロル」とかは含まれないんですね)。
「白雪姫」(1937年)に始まる作品一覧を眺めると、ある時期からアニメーション・スタジオとしての力が落ちているのが読み取れる。"クラシック・フルアニメ"の醍醐味を無くした時点で、その子供騙しのストーリー性しか残らなくなってしまった。私は「美女と野獣」(1991年)もあまり評価出来ない人間です。

 

しかしながら本作品を観る限り、ピクサー・アニメーション・スタジオを傘下に収める一方で創作に関する実権はラセターが握った事で、確実に良い方向に向かっていると感じます。

 

「トイ・ストーリー3」も確かに良いですが、私的にはこちらの作品が作品賞、長編アニメーション賞にノミネートされても良かったのではと。

一つ残念なのが名作アニメにこれまたつきものの素敵な主題歌に恵まれなかった点。ただこれについては字幕オリジナル版を再度観に行って判断したいです。

 

2012年11月17日

WOWOWシネマでの字幕版放送を鑑賞。

主題歌も挿入歌もなかなかGood!じゃないですか。やっぱり歌は原曲に限る。そもそもミュージカル映画なんかは吹替え放送でも歌の部分だけは英語のまま放送していたし、そっちの方が楽しめた筈。アニメだからって無理してノリの悪い日本語版を歌わなくてもいいのに。

 

それにしても、トム&ジェリーの伝統を確かに受け継ぐ動物キャラの活かし方はもはや至芸だ。これもピクサーの功績が大きい。マキシマス最高です♪笑って泣ける素敵な恋バナお伽話だなぁ~
 

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チラシ
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