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日付:2024/1/6
タイトル:ポトフ 美食家と料理人 | LA PASSION DE DODIN BOUFFANT
監督・脚本:Tran Anh Hung
劇場名:シネプレックス平塚 screen3
パンフレット:あり(\950)
評価:6

 

「料理がテーマの映画のおすすめ人気ランキング」とか「料理映画人気ランキング」で紹介される作品の内、料理そのものに真摯な作品って意外と少ない。例えばその手のランキング上位に登場する「幸せのレシピ」は私も大好きな映画ではありますが、料理映画としては何も見るべきものがない。そもそも仏料理の店に伊料理のシェフを雇い入れるような設定がいかにもアメリカ映画らしい。

 

その点、本作は紛れもない料理及び料理人の映画。なにしろ大半のシーンが料理をしているか食べているかのどちらか。バロック絵画風の光差し込む美しい色調で繰り広げられる、料理という名の創作活動。さすが美食の国フランスと思える容赦ないその工程描写にただただ圧倒される。

美食家の実業家ドダンと、料理人のウージェニーが共同作業で生み出す至福のガストロノミー。2人の関係はパトロンと芸術家であり、作曲家と演奏家であり、ドダンの求愛行為も最高の一皿を生み出す彼女の才能なしには成立し得ない。そしてそれはウージェニー自身の喜びでもある事を、彼女の究極の問いかけから観客も知る事となる。

 

原題は「ドダン・ブーファンの情熱」。確かにドダンの美食への飽くなき探求心こそが本作のテーマであり、邦題は色々誤解を招きかねない。物語の展開上も妥当性に欠けている気がした(「ポトフ」が余計です)。

 

そして本作の主人公は間違いなくこの人、天才料理人ウージェニー

 

 

Bonnie Chagneau-Ravoireはこれがデビュー作

 

食事のシーン(笑)

 

料理監修を担当した三ツ星シェフのピエール・ガニェールが、凡庸な料理しか作れないユーラシア皇太子のお抱えシェフとして登場

 

 

 

 

Recette №6

 

Recette №7

 

パンフレット

・MENU 友人たちとの午餐会

・Recette №1 鯉の卵のオムレツ

・Recette №2 ブイヨン

・MENU ウージェニーのための晩餐

・Recette №3 グリーンピースのヴルーテ

・Recette №4 牡蠣のキャビアとミモザエッグ添え

・Recette №5 若鶏のドゥミドゥイユ風

・Recette №6 洋梨のベル・エレーヌ

・Recette №7 ポトフ

・イントロダクション

・シノプシス

・インタビュー ジュリエット・ビノシュ(ウージェニー)

・インタビュー ブノワ・マジメル(ドダン)

・コラム 赤坂洋介(「ピエール・ガニェール」エグゼクティブシェフ)

・コラム 梶谷彩子(お茶の水女子大学基幹研究院研究員)

・午餐会で語られるキーワード

・コラム 門間雄介(ライター/編集者)

・インタビュー トラン・アン・ユン(監督・脚本・脚色)

・スタッフ/キャスト・プロフィール

・クレジット

チラシ