№22

日付:2007/10/25

タイトル:幸せのレシピNO RESERVATIONS

監督:Scott Hicks

劇場名:シネプレックス平塚 シネマ1

パンフレット:あり(\700)

評価:★★★


リメイク作品って、どうしても色メガネで見てしまいます。
どんなに良く出来ていても、それを正当に評価する気になれない・・・どこか良いとこ取りというかズルイというか・・・最近の例で言うと「ディパーッテッド 」。ホント良く出来てるとは思うものの、「インファナル・アフェア」のエッセンス丸パクリで化粧と衣装だけとっかえただけじゃん、みたいな。


もちろん数十年前の名作のリメイクなどは、その作品へのオマージュといった別の視点が生まれたりもする訳ですが(そういう意味では森田芳光監督「椿三十郎」はとても楽しみ(でも期待は全くしていない)です)。


ただ本作品に限って言えば、そんなに目くじら立てる必要があるとも思えない、とてもオーソドックスなハートウォーミング・ムービーでした。


最近観た作品だと(こちらはアニメですが)「レミーの美味しいレストラン」とも話の組み立て、結末がまるで似通っている。まさにハリウッド映画的勝利の方程式なのでしょうか。
となると後は監督の腕にかかってくる訳ですが、全体を通じて映画のトーンはとても優しくいやみのない演出。随所にユーモア溢れるやりとりも楽しめるのですが、それが軽い”クスッ”で終わってしまい、”クスクス”になってないところが非常に惜しい・・・


私は予告編を観て、完ぺき主義で他人を寄せ付けない高ピー女が、徐々に変身していく映画だとばかり思っていました。
キャサリン・ゼタ=ジョーンズ演じるケイトは、何気に最初からいいコなんです。アーロン・エッカート演じるニック(「エリン・ブロコビッチ」でも似たような役を演じてました)の登場は、彼女の何かを変えたというよりも、彼女が締め切っていたドアの開け方を教えてあげただけ。

ケイトが自分のレシピ(生き様)を貫きながらも他人を受け入れた時点で、彼女の人生に素晴らしいハーモニーが奏でられるようになる・・・という映画です。


ニックのラジカセから度々流れ出る「トゥーランドット」は私的には少々耳障り(そもそも仏料理の店に伊料理のシェフを雇い入れるような設定がいかにも米国らしい)なのですが、この映画のテーマ曲はとても素敵で、キャサリン・ゼタ=ジョーンズのシェフコートにロングエプロン姿の凛々しさと共にこの映画の盛り上げに一役買ってます。この点少々オマケでプラス☆。



2016年2月23日

WOWOWシネマにて鑑賞。

厨房の暴君ケイトが最初から最後まで可愛くってしょうがない。料理一筋の彼女に突如訪れる身内の不幸とその忘れ形見。料理以外の"レシピ"を持たない彼女の懸命さがいじらしい。ホロッとさせながら笑いも忘れない本当に良く出来たハートウォーミング・ムービーだと改めて認識。「トゥーランドット」も気にならなくなった(笑)。「マーサの幸せレシピ」も観てみたいもんだ。

再評価:★★★★


映画の記憶・・・と記録-NO RESERVATIONS


NO RESERVATIONS NO RESERVATIONS

パンフはやや小振り