№15

日付:1986/10/12

タイトル:赤ちゃんに乾杯! | 3 HOMMES ET UN COUFFIN

監督・脚本:Coline Serreau

劇場名:新宿文化シネマ2(閉館、現シネマート新宿)

パンフレット:あり(\350)

評価:-

 

米国でリメークもされたので、面白い作品だった筈。そっちもヒットしたせいか、BSではそのリメイク版ばかりが放映されて、こちらの本家にはなかなかお目に掛れなかった。「幸せのレシピ」なんかも同じような状況ですものね。

 

2023年11月25日

WOWOWシネマ放送(2023/11/22)分を鑑賞。

「犬と赤ん坊には勝てない」を地で行くような映画で、玄関脇に置き去りにされたマリーの寝顔の可愛さにいきなりハートを鷲掴みにされてしまう。独身男3人のシェアハウスに突如舞い込んだこの天使を育てる羽目になった彼等の悪戦苦闘ぶりと、いつしか彼女を溺愛してゆく様子をユーモラスかつコミカルに描きながら、単に笑いを誘う以上に観客も彼等の心情に同調させられてしまう。公開当時社会現象を巻き起こしたというのが今観てもわかる気がします。

 

女性に赤ん坊を生ませておいて、自分は責任も取らず独身を謳歌しているマリーの父親のような立場が当時のフランスでどれだけ許される事なのかは理解し難いですが、男の母性の発動や彼等が今でいう“ロス”に陥る様子など、女性監督ながら男達への優しい眼差しを感じます。コリーヌ・セロー監督は来日時の記者会見で「男性にとっても育児は幸せな事だと言いたくて作った」「女と男の争いではなく、和平を提示している作品」であると語っていました。

天使のようなマリー役の赤ちゃんは、生後6か月と1年の設定で2人の子が演じたそうです。ちなみに原題の"UN COUFFIN"とは、マリーを運ぶのに使われるかご型のベッドの事でした。

 

公開当時、仏映画史上最高の興行成績を記録したそうですが、それも頷ける。セザール賞の最優秀作品賞、脚本賞、助演男優賞(漫画家を演じたミッシェル・ブージュノー)に輝いている。

観終わったら消すつもりだったのですが、ダビングしておきたくなりました。

 

ハリウッドでのリメイク版も観てみたくなりましたが、パンフレットには本作の成功を受けディズニー・プロが再映画化の権利を獲得、しかもその作品の監督もコリーヌ・セローの予定だと書いてありました。実際の作品はディズニーの映画部門であるタッチストーン・ピクチャーズが制作したものの、監督はレナード・ニモイが担当していました。

 

 

 

 

これは撮影時のスナップでしょうか

3 HOMMES, ET UN ANGE ET SA MERE

 

パンフレット

・イントロダクション

・ストーリー

・コリーヌ・セロー監督プロフィール

・コリーヌ・セロー監督の記者会見 渡辺祥子

・子供は天使のごとき間借人 青山南(アメリカ文学者)

・スター メモ(3 HOMMES)

・世界のマスコミが騒然!(メディア・レビュー)

・スター メモ(マリーの母親とピエールに追い返される出張乳母)

・プロダクション・ノート

・クレジット

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