№30
日付:2022/9/11
タイトル:ラストサマーウォーズ
監督:宮岡太郎
劇場名:あつぎのえいがかん kiki スクリーン3
パンフレット:あり(\700)
評価:4点

 

この手のジュブナイルな作品は嫌いじゃない上に、評判も良い。kikiさんにリクエスト出そうかなと思っていた矢先に上映が確定、と条件が重なり足を運びました。

 

ひそかに好意を寄せる同じクラスの明日香が夏休みの終わりに引っ越してしまうと聞いた映画オタクの小学6年生、陽太。勢いで彼女を主役に映画を撮ると宣言した陽太の思いを叶える為に集った4人のクラスメイトと共に、ひと夏の映画作りが始まる。

小学生が映画作りに挑戦するというお仕事映画的面白さと、淡い恋心を掛け合わせる全体プロットは悪くないし、担任の土方先生が陽太に映画作りに必要な役割をわかりやすく説明するくだりまではちょっとワクワク。だけどそこまで。

 

低予算なりの自主映画っぽさはともかく、まるで学生の卒業制作のような、それも期限に追われてやっつけ作業で完成させたかのような脚本。子供たちが撮る映画ではなくこの映画の話です。

櫻井淳子さん演じる過保護な母親をはじめとするステレオタイプの親たちの、役者としての顔が見えない役回りも、母親が映画作りを止めようとする理由や担任の先生の過去といった伏線の配置も、プロのシナリオと演出としてはお粗末過ぎるような。映画オタクの筈の陽太ですが、作品作りの過程においてその強みがどこにも発揮されないのも残念。

舞台となる埼玉県入間市の全面協力も少々鼻に付く。名産品をアピールし、入間市長まで出演させて、街へのオマージュというよりも媚びへつらっている感じ。

 

監督をはじめ入間市出身者がやたらと多い本作。地元のユナイテッド・シネマ入間で先行ロードショー、その後全国順次ロードショーと公式HPに書いてあったが、どんな小作品であろうとも、これは商業映画。全国上映に打って出る作品とは私には思えなかった。

この手のジュブナイルな作品が嫌いじゃないだけに、がっかりさせられると評価も厳しくなってしまいますが、出演した子供たちの頑張りに大幅おまけの点数です。

 

 

 

 

小振りなパンフレット

観賞記念としての価値以上は求めないので、本来このくらいで丁度良いのだけれど、内容的にはワンコイン程度が妥当な感じ