№13
日付:2022/4/23
タイトル:愛なのに
監督・共同脚本:城定秀夫
劇場名:あつぎのえいがかん kiki スクリーン1
パンフレット:あり(\1,200)
評価:5.5点

 

「猫は逃げた」と「愛なのに」。たまたま食指が動いた2本の映画をkikiさんが続けて上映している事を知り劇場に足を運んだところ、この2作品が密接な関係にある事をそこで知った。

 

父の跡を継ぎ古書店を営む店主、多田浩司(瀬戸康史)が巻き込まれる純愛と不倫の2つの騒動。2人の女性からの強引な求愛行動に戸惑う多田は、傍から見れば実に羨ましい状況でもあるのだが、そこは主人公。

 

「L/R+15」なるプログラムピクチャー。今泉力哉氏の脚本を城定秀夫氏が監督し、城定秀夫氏の脚本を今泉力哉氏が監督するという企画物らしい。観ている間中、こんなに濡れ場が必要か?とずっと思っていたのだけれど、R15+指定は本企画の大前提らしい。

 

女性に対して唯々実直な多田君が、最後まで愛欲に溺れることなく女性≒愛に誠実である事で、ちょっと不思議なお伽話として成立した気がします。そしてその成功要因を支えているのが、しょーもない大人ばかりが登場する本作において、とてもキュートな存在の女子高生役、岬を演じる河合優実ちゃん。

本作の救世主でもある彼女が「ちょっと思い出しただけ」で池松壮亮演じる照生に恋心を抱くダンサー、泉美役を演じていたコだったとは驚いた!(本作ではJKにしか見えませんでした)

 

登場人物間での一方的な片思いが横行する中で、その行動原理にちゃんと共感出来るのは岬の同級生の正雄くらい。岬が多田に恋心を抱く理由も(イケメンだから?)、多田君がいつまでも一花を引き摺っている理由も(付き合ったわけでもないくせに)少々説明不足。中でも一番ご都合主義に思えてならないのが、亮介(中島歩)と美樹(向里祐香)の関係。毎回安ラブホテルで体を重ねるだけの2人の仲が続いているのは、この話のオチを知った後では疑問符しか残らない。

 

とは言いながらも、ちょっと後を引く作品。それが城定監督の手腕なのか、今泉氏の脚本によるものなのか、はたまた相乗効果なのか。。。本も良いけど、エンディングの余韻の残し方もなかなか良かった。

 

 

 

 

 

エンドロールに名を連ねたオセロという役者がこいつなのだと次作で気付いた

 

パンフレット

小振りなのに髙いのはシナリオが掲載されている為

チラシ

入場特典のシールを貰った