№7
日付:2022/2/23
タイトル:さがす
監督・脚本:片山慎三
劇場名:小田原コロナシネマワールド SCREEN7
パンフレット:あり(\850)
評価:4点

 

いきなりアクセル全開の畳みかけるような導入部で作品の世界に引き摺り込まれる。カメラワークやタイトルバックのフォントといった細部にセンスを感じる。ところが「さがす」というタイトルに見合う展開は前半のみ。佐藤二朗と清水尋也が主役の座を譲り合いながら種明かしを繰り広げる中盤以降は、胸糞悪いエピソードが延々と続く。日本の警察をなめんなヨと言いたくもなる。

 

妻に先立たれ自堕落な生活を送る父親を抱えて健気に生き抜く楓(伊東蒼)に、神様(≒監督)は救いようのない結末しか残してはくれなかった。サイコパスの犯罪劇と不幸せな中学生の父親捜しを同じ器に盛った結果、唯々後味の悪い作品に仕上がった。

 

片山慎三監督はこれが長編劇場作品2作目ですか。映画監督としての異能・異才は十分感じる一方で、本作の世界観がこの監督の持ち味なら、今後はあまりお付き合いしたくないタイプだとお見受けしました。

 

楓役の伊東蒼ちゃんは目が離せない女優さんになりそう

 

 

 

パンフレット