シートピラーの長さを調べてみた。 | CICLI LA BELLEZZAのブログ

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愛するヴィンテージ自転車たちとの生活

先日の『クイックレリーズのレバーの角度を調べてみた。』に続き、『調べてみた』シリーズ第二弾として、今回はシートピラーの長さを調べてみたいと思います。

 

シートピラーの長さについては、好みというよりも、その人の体格に合わせて調整するものなので、何センチが適正といったことはありません。ただ、フレームを小さめにしてシートピラーを長く出す人、逆にフレームを大きめにしてシートピラーはあまり出さない人など、美的感覚も含めて好みが出る部分でもあり、皆さん、それぞれのポリシーをお持ちだろうと思います。

 

私はロードレーサーの場合、小さめのフレームでシートピラーを長く出す派です。これには2つ理由があって、ひとつは、ロードレーサーはウィップ(ペダルを踏んだ時のたわみ)を小さくして剛性を高めるためにワンサイズ小さめのフレームにしたほうがよいと学生時代に教わったこと。もう一つは、大きなサイズのフレームはトップチューブも長いので、ハンドルまでの距離が遠くなってポジションが苦しくなるか、あるいはステムが短くなり、カッコ悪くて嫌だということもあります。

プロ選手の中でもいろいろなタイプがいるようで、エディ・メルクスはシートピラーを長く出していてカッコよかった印象があります。

 

さて、今回はシートチューブのトップから、シートピラーのL字型に曲がったサドル取り付け台座の下まで、つまり真っ直ぐの棒の部分の長さを測ることにします。

シートチューブの端面がシートピンのあたりから横側へ少しU字型に下がっている場合は、一番低いところから測ります。

 

私のチネリを測ってみると、シートピラーの長さは10cmでした。でも、デローザやホルクス、ラーレー、プジョーなどはもっと長くて、12~13cm出ています。これはチネリのフレームサイズが560mmなのに対して他の車は530〜545mmなので、当然と言えば当然の結果です。

 

では、他の人はどうなのでしょうか? 前回同様、クラシックDE ROSA ウィークに出展されていた自転車をチェックしてみたいと思います。

 

こちらの車は約8cmですね。

 

こちらは9.5cmです。

 

この車は7.5cmです。

 

この車は9.8cmぐらいですね。

 

この車は7.5cmです。

 

こちらの車は9.3cmです。

 

こちらは7.5cmです。

 

こちらは8cmです。

 

こちらの車は7.8cmです。

 

結果は、

    7~8cm   6台

    9~10cm 3台

となりました。

 

レーサーでも、私のように10cm以上出す人はあまりいないんですね。

7~8cmのグループの中には、510mm前後の小さめのフレームの車が比較的多く、9~10cmのグループには、560mm前後のフレームの車が多いので、フレームサイズとシートピラーの長さには、ある程度相関関係があると言えるかもしれません。たしかに自転車全体のバランスを考えると納得できる結果ではあります。

 

昔、『シートピラーの長さとハンドルステムの長さが同じになるセッティングが美しい。』という理論がニューサイ誌に載っていて、なるほどと感心したのですが、今回調べたデローザのステム突き出し寸法は全員10cm以上ありましたので、レーサーの場合は必ずしもシートピラー=ステムというわけでもないようです。

また、ヴィンテージを購入する場合は、サイズが細かく選べないケースも多いので、なかなか理論通りにはいきません。

 

私もランドナーの場合はシートピラーを短めにしますし、ロードでもチネリはあまりシートピラーを出さないほうがかっこいいというように、車種やブランドによるイメージ的な嗜好もあると思います。また、革サドルとシームレスサドルでも当然変わってきますよね。

 

というわけで、冒頭に書いたように、シートピラーの長さは自分の体格や走り方に合わせることが大事で、数値的にこの長さがいいということは言えないのですが、日本人のロードレーサーの場合、7cm〜10cmぐらいの長さが多そうだということはわかりました。