前回は、我慢せずに自分の思いを伝える技術としてアサーションの紹介をしました。

アサーションとは、お互いを大切にしながら、率直で誠実で素直なコミュニケーションを交わすことです。

相手に何かをお願いする時、言いにくいことを伝える時に、「DESC法」が役に立ちます。 今回は、DESC法の紹介をいたします。

 

DESC法とは、相手に伝えたいことを「客観的な状況」「主観的な気持ち」「提案」「代案」の4つに整理するやり方です。

 

 D(Describe)    :主観を交えず、自身の状況や相手の行動を客観的に伝える

 E(Explanation):自分の意見や感情を表現し伝える。

                           Express(表現する)Empathize(共感する)Expose(見せる)

                           Explain(説明する)と表すこともあります。

 S(Suggest)   :相手が望む行動、妥協案、打開策を提案する。

                           Specify(具体的に挙げる)と表すこともあります。

 C(Choose)    :提案の実行/不実行結果を想像し、結果に対する選択肢を示す

 

DESC法は、これらの頭文字をとった言葉ですが、私は、わかりやすくて覚えやすいので、日本語で表現した「み・かん・てい・いな法」の方を使って皆さんに説明しています。

 

 み :“み”たこと (客観的事実・状況)

 かん:“かん”じたこと (自分の気持ち)

 てい:“てい”あん(提案 )

 いな:“いな” 否定されたときの代案

         (大野裕「はじめての認知療法」 講談社現代新書 117pより)

 

ここでのコツは、この順番に沿って相手に伝えることと、相手への要求ではなくて自分の気持ちを伝えること、そして否定されたときの代案を前もって考えておくことだと私は思います。前もって準備しておけば、断られた時にどぎまぎせずに、心の余裕を持っていられますから。

 

実際にこのような伝え方を使うと、たとえば、大野氏はこんな例を挙げています。

夫に自分の仕事の不満を話しても耳を傾けてもらえなかった場合に

「どうして、そんないい加減な聞き方しかできないの。私はこんなにつらくなっているのに、どうせ私のことなんか何も考えていないんでしょう。あなたは本当に自分勝手な人なんだから」。  これだとケンカになってしまいます。

 

ところが、DESC法(みかんていいいな法)を使うとこうなります。

「あなたも疲れていると思うけど(みたこと。客観的事実・状況)私の話を聞いてほしいの(かんじたこと。自分の気持ち)。

仕事のことでとても困っているから、あなたに聞いてもらえるだけで気持ちが楽になるから、お願いしてもいいかしら(ていあん。提案)。

もし疲れているようなら、いつがよいか教えて(いなと言われた場合。対案)」。

こうすると、ケンカにもならず、我慢もせず、自分の思いを伝えることができます。

 

いかがでしょうか。よろしければ、皆さんも生活の中で試してみてください。

次回は、アサーションの伝え方の方法、アイ(I)メッセージとユー(YOU)メッセージについて紹介してみたいと思います。