再決断療法の「再決断」とは、その名の通り、「もう一度、決断し直す」ことです。

1970年代にアメリカのグールディング夫妻が、エリック・バーンの「交流分析」の理論と、フリッツ・パールズの「ゲシュタルト療法」の技法を統合させ提唱した心理療法です。

 

私たちは、幼少期に親から受けた影響などによって、自分の生き方を身に着け、自分が育った環境の中で生き延びてきました。しかし、それによって、大人になった今、生きづらさを感じているとしたら、その生き方を手放して、もう一度、あらたに決断し直して、新しい、自分らしい生き方に変えていく。それが再決断療法です。

 

たとえば幼少期に「お兄ちゃんなんだから…お姉ちゃんなんだから…わがままを言わない!」と、親から言われた経験があると、「わがままを言ってはいけない…」「迷惑をかけてはいけない…」などと思い、子どもらしく気ままに楽しむことが苦手となり、自分の気持ちより相手の気持ちを優先してしまい、誰かの世話ばかり焼くようになってしまう。

 

あるいは、親から納得のいく具体的な理由がないままに「~するな!」「~しちゃダメ!」「~しないほうがいい」と、一方的に自由を制限された経験があると、「自由=わがまま=ダメ」と感じ、「こうしていい?」「ああしていい?」と、その都度、誰かの許可がないと何もできなくなってしまう。

そういった経験はありませんか?

 

私たちが幼少期に、自分が育った環境の中で、自分では意識しないうちにした「私は生きていくためにこうしよう」という決断、たとえば「自分の気持ちより相手の気持ちを優先しよう」とか、「その都度誰かの許可を得よう」といった決断は、その時の自分を守る必要な方法でした。

でも、成長した今ではその決断が最適ではなくなります。

 

再決断療法では過去にどんな心の体験があったのかを、「今ここ」で気づいていきます。決断した時の感情や葛藤に「今ここ」で気づき、再体験することによって、「そのやり方をやめる」という再決断ができるようになります。

 

「大人になった自分は、幼児期の自分のままではないんだ。自分の中には、創造性もあるし、自律的な生き方をする能力もあるし、エネルギーもある。」

そのことを実感すると、

「私は、自分より相手の気持ちを優先する生き方ではなく、自分の気持ちも大切にして生きていこう」

「私は、いちいち誰かの許可を得る生き方ではなく、自分で自由に行動しよう」 と再決断することができます。

そして、生きづらさを感じていた今までの生き方を手放し、新しい、自分らしい生き方に変えていくことができます。

Happyに生きましょう。

 

参考になれば幸いです。

 

※ 参考文献 

メリイM.グールディング,ロバートL.グールディング著 深沢道子訳「自己実現への再決断ーTA・ゲシュタルト療法入門」星和書店 1980