ゆっくりと撫でられると、あるいは撫でると、気持ちがいいですよね。
それには、実は「C触覚繊維」が関係していたんです。
「C触覚繊維」ってご存じですか?
私は最近知ったのですが、これまで体験的に感じていたことが、科学的に解明されていたので、面白くて、みなさんにシェアしたいと思いました。
C触覚繊維とは、毛根に巻き付いて、毛の振動を感知している神経繊維です。
毛の生えてる部分にあり、最も多いのは「顔」と「腕」といわれています。逆に手のひらや足の裏にはありません。
このC触覚線維は、「柔らかいタッチ」と「ゆっくりとした動き(毎秒3~10cmの速度)」に反応します。 そして、C触覚線維からの刺激が脳に届くと、「心地よい」という快の感情が生じ、自律神経が整います。
英国の神経心理学者らによって行われた研究(※1)で、
「1秒に5cm前後の速度で撫でたときに最も気持ちよく感じる」
という結果が出ています。
(※1)Essick,G.K.et al.Neuroreport Jul 13;10(10):2083-2087.1999.
1秒に5cmというのは、ちょうど赤ちゃんがリラックスするように背中をさすったり、人に優しくマッサージするときくらいのスピードです。
逆に早すぎたり、ゆっくりすぎたりだと、違和感や緊張感を引き起こします。
山口創教授の実験(※2)では、1秒に5cmだと、副交感神経が優位になり、リラックスしますが、1㎝や20㎝だと、交感神経が優位になり、違和感や緊張感を引き起こすことが判明しました。
(※2)山口創 皮膚は「心」を持っていた! 青春出版社
C触覚線維は1秒に5cm前後の速度で撫でたときに最も興奮し、
脳へゆっくりした速度で届き、
呼吸や血圧など生きるために必要な部分を司る「脳幹」や
感情にかかわる「扁桃体」
自律神経やホルモンの調節を司る「視床下部」
情動にかかわる「島皮質」
など、広い範囲に伝わっていきます。
このC触覚繊維のはたらきによって、撫でることにより心身に癒しがもたらされます。
私たちは、ふだん、身近な人が元気がないときにそっと肩に手を置いたり、
体調が悪そうな相手の背中をさすったり、
自分のお腹が痛いときに自然と手でお腹を撫でたりしていますけれども、
そのしくみや効果が科学的にも証明されていて、なるほどなあ、人類の智慧というのはすごいなあと思いました。
「撫でること」も、しあわせ、ハッピーになるコツのひとつです。
今回は、撫でるときにはたらく「C触覚繊維」についてご紹介しました。
参考になれば幸いです。
