「子育ても、相談も、“安心→自信→ひとりだち” だよ」
と精神科医である夫はよく言っていました。
「安心。自分はなにがあっても大丈夫。世界に守られている。
そんな、自分が生きている世界に対する信頼感。
十分にそれを感じたら、次は自信。
いろいろ失敗もしながら、自分の力でやってみて、できないときは、まわりに手助けを頼むということも覚えながら、成功体験を積み重ね、
自分は何とかこの世の中をやっていける、と感じてもらうこと。
そうしたら、ひとりだち。
まわりはそれを妨げないように。引き止めたりしないように。本人が自分の力で生きていくことを応援する。」
これがコツ。そして、
「うまく進まないようなら、滞っているようなら、一つ前に戻り、そこをもう一度充分に味わってもらってから次に進む。」
と言っていました。
例えば、心理相談の場では、心理的に傷ついている人が多いですから、その人が本来の自分の力が発揮できるように、まずは、充分に安心していられる場を提供します。
絶対におびやかさないこと。責めないこと。「大丈夫。よくこれまで頑張ってこられましたね。つらかったですね。」などと、気持ちを受け止め、包み込むような、守るようなかかわり方で、お話をうかがっているうちに、次第に元気を取り戻してこられます。
そうすると、「少しやってみようかな」という気持ちになってこられます。
そうしたら、今度は、それを見守り、励まします。
決して、性急に「もっと頑張れ」とか「こうすればいいよ」とか、問題解決をせかせるようなことはしないことです。
丁寧に順を追うこと。一つ一つの段階を充分に味わってもらうこと。途中を抜かして一足飛びにしたりしないこと。滞っていたら一つ前に戻って、やり直すこと。
そして、それぞれの段階で求められる援助者のかかわり方は、例えば、安心の段階では包み込むように、自信の段階では見守るように、独り立ちの段階では自立を促すように、などといったように、質が異なること。
私は、夫から学んだこれらを、子育てと心理相談の指針としてきました。私にはとても支えになりました。
今回は、夫がよく口にしていた「安心→自信→ひとりだち」というフレーズをシェアしてみました。参考になれば幸いです。
