キム・ソニョンつながりで…大爆笑の慶尚道vs全羅道“ロミオとジュリエット”「危険な相見礼(サンギョンネ)」を警察一家vs泥棒一家に置き換えた続編、出来はちょっと微妙か…「危険な相見礼(サンギョンネ)2 (邦題:危険な顔合わせ!?)」
7年前。高校生チョルスの通う学校の前で刑事パク・マンチュンが張り込んでいる。チョルスの両親ハン・ダルシクとチョ・カンジャは指名手配中の大泥棒と天才詐欺師で、今日はチョルスの進路指導の日なのだ。やはり二人は現れずチョルスは黄色のポルシェで帰るが、その後をマンチュンが尾行する。チョルスは尾行に気付き、振り切ろうとスピードを上げる。追跡劇が続くが、交差点で別の車を巻き込んで事故になる。何とその車にはマンチュンの三姉妹が乗っていて、末娘ヨンヒが火を噴きだした車に取り残される。それを見たチョルスは危険を顧みず火の中に飛び込みヨンヒを救い出す。そしてチョルスとヨンヒは一目見た瞬間から恋に落ちる…7年後。チョルスは泥棒・詐欺師の両親と縁を切り工事現場で働きながら、カンナム警察麻薬3チーム長に成長したヨンヒの助けで警察官採用試験を目指しているが、6連敗だ。そんな時、陰ながらチョルスを見守ってきた両親が姿を現し、事態はあらぬ方向に転がりだしてしまう…
【警官一家】三女でフェンシング金メダリストのカンナム警察署麻薬3チーム長パク・ヨンヒに、「オペレーション・クロマイト」の美形チン・セヨン、三人の娘を男手一つで育てた頑固一徹警官の父親パク・マンチュンに、別の役ながら前作からの続投で渋いキム・ウンス、鑑識チーム(KCSI)のリーダーで警察幹部と結婚した長女パク・ヨンミに、ホン・サンス「アバンチュールはパリで」で魅力を発揮した相当な美形パク・ウネ、次女ながら妹ヨンヒの部下の刑事で柔道に長けたパク・ヨンスクに、ちょっと太目のキム・ドヨン、【泥棒一家】ヨンヒと恋に落ち6度落ちながら警官採用試験に挑戦し続けるハン・チョルスに、余り知らない二枚目ホン・ジョンヒョン、文化財専門の天才泥棒で犬と話せるというチョルスの父親ハン・ダルシクに、いつも笑えるシン・ジョングン、変装の名人でハッカーでもある天才詐欺師の母親チョ・カンジャに、TV・ミュージカルと活躍の広いチョン・スギョン。前作の縁での友情出演では、饅頭売りの老婆に、韓国映画界最高のコメディエンヌのキム・スミ、高校時代チョルスの担任教師に、今回は相当に笑えるキム・ソニョン。
まずは余談から。警察一家と泥棒一家の”ロミオとジュリエット”といえば当然大ファン深田恭子『ルパンの娘』を思い出し”パクリ”疑惑が湧き出るわけですが、横関大「ルパンの娘」原作本の出版は2015年8月、本映画公開は2015年4月なので、まぁ偶然といって良いでしょう。さて、本作は2011年に250万人の大ヒット「危険な相見礼(サンギョンネ)」の続編ですが、興行成績的には5分の1ほどですし、評価もかなり辛辣なようです。前作では慶尚道vs全羅道という(関東vs関西みたいな)ローカル対立”ロミオとジュリエット”だったのを、警察vs泥棒に変えたところが評価を分けたんだと思われます。警察vs泥棒なので、黄色のポルシェによるカーチェイスや韓国の家並みを使った派手な屋上追跡劇、さらには悪辣な連続殺人魔も登場するので、迫力は倍増してはいるんですが、逆に、二つのライバル家族による大爆笑対立という図式が薄まった感が強いといえるでしょう。個人的には、『ルパンの娘』とトントンという感じです。
黄色のポルシェによるカーチェイス、水着姿オークション、犬軍団とかやり過ぎ感を我慢すれば、2時間楽しめるレベルではあるでしょうが、前作の土俗的な爆笑を期待するならばそれなりに落胆は免れないと思います。暇なときに見放題(今はUNEXT等)で、くらいでしょうか。
ちなみに、中盤チョルスが落ち込んで一人飲む居酒屋のTVで流れているのは、前作「危険な相見礼(サンギョンネ)」で、車の中で話すのは主人公カップルのソン・セビョクと目茶目茶キュートなイ・シヨンです。
余談。父親がチョルスを泥棒家業に引き戻そうと準備したのがメルセデス・ベンツ”SLS AMG クーペ”、何とガルウィングで目茶目茶カッコイイ…調べると中古で2500万円くらいだとか…
楽曲について。オリジナル曲ばかりですが、中盤の切ないシーンで流れるのは、主演チン・セヨン(진세연)が歌う「チュルル(주르르)」、エンディングの主演二人によるデュエットは「一生君だけ(평생 너만)」、Youtubeで収録シーンが見られます。