可愛いパク・チンジュつながりで…エクソシズムの作品ですが、何と格闘技とのハイブリッドという、驚きの悪魔祓いアクション・ムービー…「ディヴァイン・フューリー 使者」

 

信心深い警官の父親との二人家庭で育つヨンフは、今日も料理を作り父親を送り出す。しかし、検問中に暴走する車に引きずられ父親は帰らぬ人となる。ヨンフは必死で祈ったのに父親が死んだことで神を恨むようになる…20年後。ロスの巨大スタジアムは満員だ。今や格闘技のチャンピオンとなったヨンフはタイトル戦に挑むが、相手の背中にキリストの入れ墨があることで錯乱に相手を半殺しにしてしまう。帰国の飛行機の中、ヨンフが悪夢から目覚めると右手のひらに深い傷があり、血が止まらない。医者に見せても分からないと言う。運転手から盲目の女祈祷師を薦められ、彼女はバチカンから来韓中のアン神父が救いになると言う。ヨンフはアン神父の教会に向かうが、神父はまさに悪魔に乗り移られた男との壮絶な戦いの最中だ。こうして、ヨンフとアン神父は”闇の司教”との激しい闘いに飛び込んでいく…

 

格闘技世界チャンピオンのパク・ヨンフに、パク・セロイと呼んだ方が通りが良いでしょう『梨泰院クラス』パク・ソジュン、バチカンから訪韓中の祓魔師アン神父に、韓国が世界に誇る名優アン・ソンギ、悪魔の手先”闇の司教”に、「鬼手」のウ・ドファン、悪魔に取り憑かれる女性スジンに、主演ホラーもある美形パク・チヒョン、悪魔に取り憑かれる孤児ホソクに、「ミス・ワイフ」以来10作を超えるベテラン子役チョン・ジフン。特別出演では、警官でヨンフの父親に、好感度の高い脇役イ・スンジュン、アン神父の初代助手チェ神父に、「パラサイト」など若手伸び盛りのチェ・ウシク、パク・チンジュは、笑える中華料理配達嬢。

 

いわば(「エクソシスト」+「ジョン・ウィック」)÷2みたいな不思議な映画です。何せ、聖服の上に革ジャンを羽織って大型バイクで悪魔の本陣、ド派手なナイトクラブに殴り込み大格闘…みたいな展開は観たことがありません。悪魔の子分たちも結構格闘技に長けているところがちょっと笑えたりしますが、こんな展開が好き嫌いを分けるのはやむを得ないでしょう。さらに、“闇の司教”に大物感が乏しかったり、悪魔に乗り移られるのが美しい娘と幼い孤児という辺りも必ずしも趣味が良いとは思えなかったり、ちょっと辛いところです。ただ、VFXの進歩は凄まじく、本家「エクソシスト」に比べると何十倍も”おぞましさ”が増している所は凄いといえるかもしれません。

 

いずれにしても映画としての価値は観方によって大きく分かれるでしょうが、鍛え抜かれた肉体を披露したりして、少なくともパク・ソジュンのファンは見逃すわけにはいかないでしょう。一方、相変わらず落ち着いた渋い立ち居振る舞いと台詞回しが絶品ではありますが、アン・ソンギのファンは別に観なくても良い、或いは、観ない方が良い、と思われます。良くお考えください。