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チェ・ヒの銀幕デビュー作、名匠キム・ギドク監督第11作、「空き家」。

キム・キドク監督は「青い門(悪い女)」「悪い男」などからどろどろしたリアリズム監督だという印象が強かったんですが、「春夏秋冬そして春」もこれも、絵や音楽がものすごく綺麗なんですね。浮き世離れした感じです・・・

個人的には、コリアン・エアーFA、ミス・コリアという経歴の持ち主イ・スンヨンの静かな演技に魅せられました(台詞は、確か、三言だったと思います)が、やはり、チェ・ヒの演技に魅せられる人が多いでしょう・・・あの眼差し、身のこなし、男からみてもヤバイ感じだと思います。

前半、空き家を転々とする時の、人が帰って来ないか?という感じ、後半、逆に人のいる家に入っていく時の何とも云えない感じは、独特のもので、演出の巧みさに感服です。家という人間でいうと皮膚みたいなものさえ、本当に自分のものと言えるのか?その中にいるあなたは?といった問いが聞こえて来る感じでした・・・ナターシャ・アトラスのGafsaというアラビックな曲も雰囲気を盛り上げてくれます。

問いかけているテーマはともかくとして、恐ろしく美しい映画です。